評価制度を導入して数年経つと、「評価項目を見直した方がいいのではないか」という声が上がってくることがあります。
実際に、評価者から「この書き方では評価できない」「部下に説明できない」と言われる場面も珍しくありません。
ただ、こうしたときに項目の表現を見直すだけで解決するのかというと、そうとも言い切れないと感じています。
このページでは、評価項目を見直しても伝わらない理由について、次の3つの視点で整理してみます。
- 項目の問題ではなく「理解」の問題であることが多い
- 評価者が腑に落ちていないと伝わらない
- 定義や意図を共有することが納得につながる
項目を変えても伝わらないことがある
まず感じるのは、「項目を直せば解決する」という話ではないケースが多いということです。
評価項目は、一見すると誰でも分かる言葉でできています。特に勤務態度のような項目は、誰にでも当てはまる言葉です。
ただ実際の評価の場面では、この「誰でも分かるはずの言葉」が一番議論になることも少なくありません。
同じ言葉でも受け取り方は違う
評価会議でもよくあるのですが、同じ項目でも人によってイメージが違います。
だからこそ、「この言葉の意味はこうだ」と一方的に決めても、それだけでは揃いません。
評価者が納得していないと伝わらない
少し立ち止まって考えてみたいのは、評価者自身がその項目をどう理解しているかです。
評価される側のときには、なんとなく理解していたつもりでも、評価する立場になると話は変わります。
自分の言葉で説明できない
部下に説明する場面になると、「自分がどう考えているのか」がそのまま出ます。
腑に落ちていない状態では、言葉を整えても伝わらないと感じることが多いです。
ここは実務の中で何度も見てきた部分でもあります。
このページをご覧いただいている方で「評価項目を見直そう」と思っておられる方には、見直しても伝わらないと言うとおかしなことを言うなぁと思われるかもしれません。
これには理由があって、見直す前にやっていただきたいことがあります。
定義と意図を共有することが先
実際には、項目を変える前にやるべきことがあります。
それは、「その項目が何を意味しているのか」を共有することです。
考え方が一致する必要はない
価値観は人それぞれ違います。
ですから、考え方を完全に一致させる必要はありません。
ただ、「会社としてはこういう意味で使っている」ということに納得できるかどうかが大切です。
腑に落ちると伝えられる
「あぁ、そういう意味だったのか」と理解できたとき、初めて自分の言葉で説明できるようになります。
この状態になると、評価もぐっと伝わりやすくなります。
評価項目を見直すこと自体は必要なことだと思っていますが、その前に確認しておきたいことがあります。
- 項目の問題ではなく理解の問題である可能性
- 評価者自身が納得しているかどうか
- 定義や意図が共有されているか
評価制度は、言葉を整えるだけでは動きません。
伝えていないことが原因で起きている行き違いや不具合は、伝えることで解消できることも多いと感じています。
少し手間に感じるかもしれませんが、評価項目の見直しに入る前に、一度立ち止まって話をする時間を何度か持つことが、結果的には見直しの精度をあげる近道になります。



