賞与の支給時期が近づくと、「今年は何か月分にするか」といった検討をされている企業も多いと思います。
実際には、基本給の何か月分という形で支給している会社も多く、ある意味分かりやすい仕組みです。
ただ、現場の状況を見ていると、この支給方法が本来の意図とは違う形で機能していることもあると感じています。
このページでは、賞与を基本給連動のままにしていることで起きやすい課題について、次の3つの視点で整理してみます。
- 賞与が実質的に固定化してしまう
- 実力と賃金のギャップが広がる
- 成長につながる設計になっていない
賞与が固定化してしまう
基本給連動の賞与は、分かりやすい反面、変動要素が弱くなります。
結果として、賞与が「もう一つの固定給」のようになっているケースも見受けられます。
業績や評価と結びつかない
本来、賞与は業績や評価と連動させたいという意図があるはずです。
ただ実際には、「毎年同じように支給されるもの」という認識になっていることもあります。
実力と賃金のギャップが広がる
もう一つ見ておきたいのが、賃金との関係です。
例えば、採用時に期待を込めて少し高めの給与設定をした場合、その後の実力とのバランスが崩れることがあります。
差は自然には埋まらない
一度生まれた差は、時間が経っても自然に解消されることはあまりありません。
賞与も連動している場合、その差はそのまま積み重なっていきます。
この差額を解消するにはその差額が埋まるまで昇給を止めるしかありません。
それが現実的かどうかと考えると、実務的に悩まれる企業も多い部分です。
社員にとってわかりやすい支給方法だと思って基本給連動で決定してこられた方は、基本給連動ではまずいと言うなら、どういう支給方法がよいのかと思われている方もおられるかもしれません。
支給方法を見直すためのポイントがあります。
成長と結びつけて考える
実務上大事にしたいのは、賞与を単なる支給ではなく、成長とどう結びつけるかです。
説明できる状態にする
もし現状の賃金に調整が必要な部分があるのであれば、その払い過ぎの部分について理由を説明できる状態にすることが重要です。
曖昧なままにせず、必要に応じて給与明細では分けて表示し、納得してもらうことが大切です。
成長のテーマとして扱う
例えば、調整部分を明確にしたうえで、「どうすれば本来の水準に到達できるのか」を上司と部下で共有する。
こうした関わり方によって、不安や不満ではなく、結果として前向きな動きにつながることもあります。
賞与を基本給連動のままにしている場合、次の点を見直してみる必要があります。
- 賞与が固定化していないか
- 実力とのギャップが放置されていないか
- 成長と結びついた設計になっているか
賞与の仕組みは、分かりやすさだけで決められるものではありません。
現場でどのように受け止められているか、どのような行動につながっているかを見ながら、必要に応じて見直していくことが大切だと思います。
制度として整えることも重要ですが、実際にどう機能しているかという視点で考えてみると、違った見え方になります。



