第079号
「足りないものはすべてだと思うが、わずかだと思う 」
これは西野監督の試合後のコメント。
7月3日早朝の試合で、サッカー男子日本代表は
ベルギーに2対3で敗れました。
これで今回のワールドカップは
4試合戦って1勝2敗1引き分け。
日本はこれまで2度ベスト16に進出していますが、
そのときより強くなっているのでしょうか。
2002年日韓ワールドカップでは2勝1敗1引き分け
2010年南アフリカワールドカップでは2勝1敗1引き分け
(PKで敗退)
今回は1勝です。
選手たちがインタビューで壁という言葉を発していました。
“この壁は大きい”と
壁という言葉の意味には
人と人との間のへだて
大きな障害や困難
という意味があります。
8年前に感じた世界との差よりも
仕掛けていけた今回だからこそ、
より明確な距離間を実感できての
『壁』という表現なのだと思います。
日本はこれまでも
何が足りないんだろう、と
負けるたびに言い続けてきました。
でも、今回選手のインタビューの言葉を読む限り、
より具体的に壁の大きさや
どういう差があるのかを
射程距離として、見据えているようです。
選手が、「力を出し切った」
と言っているように、
出し切ったからこそ
気づけることなのでしょう。
監督も選手も
実力は出し切った
という点での認識は同じです。
出し切ったけれど勝ち切れなかった
ワールドカップでした。
実力差もあるけれど、最後こういう形になるゲームの組み立てというのは考えていませんでした。
と西野監督が言うように、
本気の試合の経験値が
まだまだ少ないと言えるのかもしれません。
人事制度の評価シートは
査定のためだけのシートではありません。
社員の実力の現在値を知るためのシートです。
前回の位置(点数)から今回どれくらい
成長したかを見る指標です。
処遇を決めるだけのためなら、
評価制度はなくてもいいかもしれません。
もともと優秀な社員さんほど、
3か月程度で会社のことを
わかったつもりになってしまって、
失望して辞めてしまう方がいます。
ホントはこれからが仕事で、
単に慣れただけのレベルなのですが、
そこを伝えるものさしがありません。
まだ壁の前にも立てていないことを
伝える術がありません。
残念なことです。
1年間、その行動目標をやり切ってみないと
そのやり方が正解なのか、
間違いなのか解らないことが
たくさんあります。
ですが、ついつい評価項目をさわって
変更していまいます。
そうすると、2年前、昨年、今年の
基準が違うので、
どこに問題があるのかわからないまま
評価という制度だけが
形骸化して残ってしまいます。
これも残念なことです。
西野監督は、“わずか”なところについて、
これから(日本)サッカー界で埋め直さないといけないという気持ちではあります
と言っています。
フィジカルでもなく、戦術でもなく、
監督だけ交換するのでなく、
サッカー界全体で埋め直す作業が必要です。
評価制度も作った後は、
上司と部下に任せきりでは
制度は定着しません。
会社全体で取り組んでこそ、
足りないものが見えてきて、
社員を引き上げることができます。
お読みいただき、ありがとうございました。
つまるところ「人と組織」
社長の想いを語りなおして
強み×8割の社員が育つ仕組み×関係性をデザインする
鈴木早苗でした。