成果の目標設定が難しいとき

第680号

12月20日に放送された「M-1グランプリ2020」

世帯平均視聴率が関西地区で29・6%
(関東地区は19・8%)

昨年が26・7%(関東17・2%)

やはりコロナ禍で
家にいる人の視聴が増えた結果
かもしれません。

それでも、いつも通り
YouTubeを視聴している若者も
多かったようで、「おもしろい」の多様化、
ますます進みそうです。

私にとっては、
第1回開催時には
すでに大阪から東京に
出てきていたので

ふるさとの祭りを
見るような

懐かしいというか、
故郷とつながってるなぁ
と、感じられる

思い入れのあるイベントです。

今年は、皆、
コロナ禍で
舞台に立てなかった
時間が長かったせいか

寝転がったり、
縦横無尽に舞台を使い、
身体を使い、
歌を歌い

間にアクリル板があったら
とうていできない漫才を
思う存分、繰り広げていました。

M-1を審査するのは
3年連続同じ7人。

2015年にM-1を再開したとき

M-1の象徴の
ダウンタウンの松本さんは

「M-1はその日一番おもろいやつを決める大会やからな」

と、その年優勝したコンビに
声をかけたそうです。

“一番おもしろい”

これに真っ向から
対峙しているのは
漫才では、M-1しかありません。

おもしろいを評価するのは
そもそも難しいのです。

M-1の翌日、大阪人のすべてが
大げさでなく、漫才評論家に
なってしまうように、

おもしろいは
その人の価値観です。

みんなの一番を決めるというのは、
そもそも無理があります。

「おもしろい」と
「売れる」は
同義語ではありません。

おもしろいから
売れるわけではないのです。

少なくとも、
評価シートの項目は

その行動をすれば
成果がでる。

という前提に基づいて
作っています。

実際に成果がでている
という事実が社員に
評価の点数への
信頼感を与えます。

M-1は、決勝では
3組のなかで
一番おもしろい漫才師に
投票するシステムです。

おもしろいの
トップランナーを
経験している審査員は
自分の価値観が試されます。

16回のなかで、
審査員全員の票をとって、
優勝したのは2組です。

この2組が16回のなかで
すごくおもしろいかと言えば
そうではないでしょう。

全員が揃うことが
大事ではありません。

どの個性が、
好き嫌いを越えて、
他を凌駕するか、です。

評価制度は
価値観がそれぞれ違うからこそ、

ビジョンを掲げ
自分の流儀にはなくても
確かに、それが自分たちが目指す

 ビジョンにつながる
 ミッションに合っている

と納得して、
共感したところで

評価項目を選定しています。

ですから、

全員一致して
優秀とした社員は
確かに優秀だ
ということになります。

目指す目的は、

エースを作ることではなく
それぞれの成長です。

今年、働き方の変化で
成果を出すための
行動の正解(プロセス)が、
揺らいでいます。

成果の目標設定が
難しいという声も聞きます。

私がひとつの案として
提案しているのは

これまで目標として
掲げていた指標が
使えないなら

処遇はコロナ前の評価で
決定すると決めて
(金額の保証ではありません)

たとえば2年間などの
期限つきで

緊急事態対応の
目標数字の設定と
行動目標が入った
評価シートを
作成してみてください、

と伝えています。
株式会社ENTOENTOの松本順市氏の考えを
ベースにしています)

・処遇を心配することなく、チャレンジしてもらうこと

・(できれば)社員間で目標を決める

・目標の指標に生産性を入れる

これらがポイントです。

頭では評価シートの項目は
随時入れ替えるとわかっていても

今年のように状況が変わっても

今の項目の変更に
躊躇してしまう人も
おられます。

結果が見えないからです。

それなら、
暫定措置(期間限定)として
皆がチャレンジする意思を
共通認識とするために

こういう手法はどうだろうと、
お話しています。

期限が終われば、
元の評価に
戻るかもしれませんし

チャレンジ期間の項目が
新たな項目として
正式に入れ替わるかも
しれません。

正解がわからないから
どんどん、チャレンジ行動をして、
評価項目は変化していくでしょう。

そんなとき、
拠り所となるのは

時代や環境で変化しない
ミッションです。

M-1は
これからも”おもしろい”を
定義づけしないまま
戦い続けるのでしょうが

その日一番おもろい
やつを決める大会

という一種の使命感(ミッション)
がある限り

芸人さんは、
自分の思う
「おもしろさ」を
引っ提げて、

この大会を目指す(チャレンジ)
のだと思います。

お読みいただき、ありがとうございました。

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