第1048号
漫才コンビが実は普段は口を利かない
というのはよくある話ですが
テレビを観ていると、
サンドウイッチマンが、不仲と噂の
ある後輩芸人を前にして、
「仲良くなるというか、二人きりの
時間を増やしたほうがいいよ」
と本気のアドバイスを送っていました。
人それぞれ価値観が違うので、無理に
仲良くする必要はないですが、
「成果を上げる」ために必要な
コミュニケーション(関係力)が
必要だというのは、お笑いだけで
なく、仕事全般に言えることだと思います。
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サンドウイッチマンの番組の中で
不仲では仕事が増えないとアドバイス
されて
「仲良くしないとだめですか?」
と後輩芸人が言ったことに対しての
回答が上記の発言だったのですが、
これと同じことを、関与先の会社
でも聞くことがあります。
仕事は出来て、場の空気も読まずに
会議で発言するところを経営者も
買っているのですが、組織全体と
して協力してやってほしい時もある、
というような場合です。
人間関係は若手の離職の理由の
トップ3に常に入っていること
からも組織の解決したい悩みでも
あります。
仲良く=関係性を良くしたい
ものですが、
では、仲良くすることが必要か、と
言われれば、絶対必要ということ
ではありません。
組織の継続的な成果は
『人材力』×『組織力』×『関係力』
です。
『人材力』:個人の強みや価値観に関すること
いかに能力を発揮してもらうか
『組織力』:ビジョンや目的・目標の共有、
ベクトルを合わせること
『関係力』:人間関係やコミュニケーションに関すること
仲良くというのはいわゆる「好き嫌い」
です。
これは、『関係力』ではなく、『関係性』
です。
この違いは、
関係力:人間関係やコミュニケーションに関すること
関係性:人間関係(いわゆる相性、好き嫌い)
関係力という階層の下の階層に、関係性がある、
という位置づけだと考えます。
仲が良ければ、関係力もありそう
ですが、
例えば、
お昼は仲良く一緒にみんなで食べに
いくのに、会議になると誰も意見を
言わない、という部署があります。
誰も批判的な意見を出さず、部長の
提案に同意するパターンが多い
というものです。
仲が良いということと
会議で話をする(コミュニケーション)は
別物です。
コミュニケーションとは、
自分が話しやすい人と話すとか
自分が関係を持っている人と
関係を保つためにとる
ということではないと思って
います。
人と人は違うものだから、
自分と相手は違うことを認識
したうえで、
違う人同士が関係を持っていく
ために話をすることだと思います。
配慮はするけれど、良い結果を
出すために
言いたいことを遠慮せずに言い
合えることが、コミュニケ―ション
だと思います。
仲が良い関係性でも
仲が悪い関係性でも
いくらコミュニケーション
(関係力)が大切だと
理解できても、
やってみよう、とはならない
ものです。
上下関係が厳しいお笑いの
先輩から言われても、です。
『関係力』を高める意味を
そこに持たせることが必要です。
どうしてコミュニケーション
しないといけないのか、
という“目的”です。
目的は
『人間力』×『組織力』×『関係力』
のどれに該当するかと言えば
『組織力』です。
つまり、
『関係力』を高めるためには
関係力を高める打ち手を打つの
でなく、一つ前の『組織力』の
打ち手を打つことが効果的です。
関係力が上手く機能しないのは
その前のところで不具合を起こし
ているから、と考えることができる
からです。
あるいは、“無理に”
関係力のなかの関係性(人間関係)を
高めるための時間をかけるのでなく、
その手前の組織力を強化することで、
結果として関係力が良くなる
という考え方、です。
好き嫌いというのは
相手との関係性の話です。
どうしても、相手だって悪い
という展開になりがちです。
それが、「目的」や「ビジョン」
「組織目標」を共有することが
できれば、
目標を達成するという自分に
とっての出来事、
いわゆる“自分ごと”になります。
相手と自分の関係性の話が、
一つ上の階層の『関係力』の
話になります。
仲良くならなくても
同じ目標を目指すチームには
なることができる、と言えると
思います。
サンドウイッチマンが
二人きりの時間を増やしたほうが
よいと言ったのも、
対話の回数でなく、
遠慮しないで、言いたいことを
言い合える時間(コミュニケーション)の
大切さを言っていたのだと思います。
お読みいただきありがとうございました。
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