創業者社長が人事評価制度を作るタイミング

第1035号

私事ながら、毎年M-1という漫才師の
日本一を決める大会を見ては、
自分は大阪人だと実感しています。

コントの日本一を決めるキング
オブコントというのが週末放送
されたのですが、大阪は漫才1強
なので、私自身もそこまでの思い
入れはありませんでした。

今回、笑いの数や大きさに差がなか
ったなかで、優勝が決まったので、
これまで以上に“評価””点数”が
クローズアップされました。

SNS等に書かれていることを読むと
まるで、創業者社長が退いた後の
会社の、評価決定後の様子を見る
ような感じです。

だからでしょうか、
創業者社長は人事評価制度の作成
を依頼するとき、

「後継者では報酬を決められないだろう
から、自分の代で作って引き継ぐ」と
おっしゃいます。
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もとより、コントに正しい評価という
ものは、ありません。

キングオブコントの審査基準は
「とにかくおもしろいコント芸」
とあります。

決勝進出したコンビが採点後
「審査員の好みなんで」
と点数に対して述べた感想からも、
その審査基準が明文化されていない
ことは了解済みです。

それでも、人それぞれに、おもしろい
と感じるものが違うので、

今年のように笑いの数が同じくらい
の大会では、その審査結果に
SNSが荒れます。

これまでは、この大会の立ち上げ
から関わっていたダウンタウンの
松本さんが審査員だったので、

ある意味、松本さんの点数が基準
の役割を務めていました。

他の審査員は今年で3年目。

昨年までは無意識に、自分の好み
と松本さんの点数や評価を参考に
して、若干バランスを取っていた
のが、自由(過ぎる)に点数をつ
けている。
そんな風に映ったのかもしれません。

ただ、点数という結果だけを見れば
昨年の採点と今年の採点では
付け方に大きな違いはありません。

点数の幅が小さい、最高得点を
何組にもつけているということが
言われていますが、これも可視化
して並べてみると、そこまで言わ
れることかなぁと思います。

違うのは、
今回、良くも悪くも重しになって
いた松本さんが不在で、

これまでも感じてはいた
審査員それぞれの「好み」が
審査員自身も講評でそれを口に
したことから、

否応なしに意識させられた結果
「好み」という点数の付け方に
反応してしまったという要因が
あるのだと思います。

オーナー会社の評価制度に当て
はめてみると、

これまで明確な基準はないけれど
創業者社長が決めたことなら
しょうがない、

と受け入れることができていた
処遇決定を

数年その社長と一緒に決定して
いた後継者社長がそのまま引き
継いで、

新社長として、これまで通りに
処遇決定したら、不満が続出した、
ということだと思います。

「前の社長ならそんな評価はしなか
った」とまで言われた、というお話
を聞いたこともあります。

もちろん、この意見に根拠はありません。

人事評価制度のご依頼のタイミング
で多いのは、引き継ぎ前の創業者
社長からです。

「後継者では報酬を決められない
だろうから」というのがその理由
です。

つまり、理屈ではなくて納得を
得るのはすぐには難しいだろう
ということです。

ですから、社員の方々に納得して
もらうために、自分の代で作って
引き継ぐという想いです。

その結果、点数の決め方という
技術以前に

創業者社長のビジョンや価値観に
触れることにもなります。

形を引き継ぐだけでなく、
作成する過程で、お互いに共感
できること、納得できること

これを両者の間で探って、対話
してもらうことに意味があります。

そうして、可視化されていなかった
評価や賃金の決め方をいったん
ルールに落とし込んで、

「今までと何ら変わっていません」
と、安心して新しい制度を受け入れて
いただくよう説明してスタートする。

こういう方法を採るとスムーズです。

もちろん、すべての会社の事情に
当てはまるとは言いませんが、
少なくとも制度(仕組み)は、
古い、新しいではなくて

すべてを変えるということが
前に進むことでもなく、

納得できるか、受け入れられるか
不安を与えないためには何が大切か
ということが重要だと思っています。

お読みいただきありがとうございました。
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