社員が業績に関心を持つのは

第1025号

「うちの社員は危機感が足りない」
「業績にまるで関心がない」

というご相談をいただいたので、

業績連動賞与の導入案をお伝え
したところ、

「1度上げたら下げられない」
という言葉がかえってきました。

どうしたら業績が上がるのか
言語化できていないからかも
しれません。
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賃金の場合によく聞く
「1度上げたら下げられない」

これを、賞与でも聞くことがあります。

下げられない、と思う会社の賞与の
決め方は、

夏は1カ月、冬は1.5カ月というような
基本給の何カ月分という決め方が多い
です。

そもそも賞与は業績連動なのですが、
基本給の何カ月分という支給の仕方が、
既定の事実となってしまっています。

そもそも基礎となる基本給の額は
適切なのか、という論点もあります。

「社員にも生活があり、ボーナスを
生活給としてあてにしているだろう
から、最低限、支援してあげたい」

という社長のお考えもわかるのですが、

残念ながら、それでは社員は、業績に
関心を持たなくなってしまいます。

どのような業績でも賞与の額が決まって
いるのであれば、社員にしてみれば
それは大きな安心になります。

うちの会社は良い会社だと思います。

でも、だからといって、業績に関心
をもって、経営者と危機感を共有
することにはならない、
ということです。

賞与が出ない、というようなことは、
誰も望まないですが、

業績がいいときは、賞与が増える。
業績が悪いときは、賞与は減る。
場合によっては賞与がゼロという
こともある、というのが本来の賞与
です。

業績が悪かったら、

出せなかったら、

と、ネガティブにとらえるのでなく、

社員が成長することで業績が上がり
その結果、社員に賞与という形で
戻ってくるもの、という仕組みを作る
ことを、考えていければと思います。

そうでないと、

社内に、収入をもっと増やしたいと
思う社員がいるかどうかを考える前に

そもそも、社員が業績に興味を
示すことはないと思います。

ただ、頭ではわかっていても
なかなか業績連動に踏み切れ
ないのは

業績を上げる要因が、
社長がトップ営業マンだったり
ビジネスモデルとして、社員に
依るもの以外の要因が業績に
占める割合が大きかったり

あるいは 優れた一部(2割程度)
の社員が業績の大部分を占めて
いたり

どうすれば社員が成長し、その
結果として業績が上がるのか、
というための、

「どうすれば」が、みつかって
いないか、言語化できていない
からだと思います。

危機感をもたない社員に嘆き、
やる気を求めたり、
がんばれと声がけする前に、

どうすれば社員が成長するのか
を見つける、言語化することが、
先決のように思います。

何が会社の業績に一番影響を
与える行動なのかを見極める
ために

業績として指標にしているのが
粗利とか営業利益であるなら、

そのままでは数値が大きすぎて
行動レベルがイメージできない
ので、

粗利であれば、まずは粗利を細かく
分解していきます。

営業利益→粗利益→客数×客単価

客単価もさらに細かく分解すると

1品平均単価 × 1人買上点数
というようになります。

ここまで細かくすると、どういう
行動が買上点数を増やす行動か、
イメージできて、業績向上につな
がる重要な行動をみつけることが
できます。

何が業績を上げる重要行動なのか
がわかれば、

「1度上げたら下げられない」
では、なくなると思います。

どうすれば、社員が成長するのか
がわかって、それを継続すれば、
結果として業績が上がる。

この仕組みがわかっていれば、
業績と賞与を連動させて
まずは、上位2割の社員から
順番に、

言われなくても業績に関心を
持って、社長と共通の目標
達成のために、行動していく
ようになります。

参考になれば幸いです。

お読みいただきありがとうございました。
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