第1017号
パリ・オリンピックの前半は
柔道始め、すっきりしない判定が続き、
やはり、人が人を判定するのは難しい
なぁと感じることが多かったのですが、
いわゆる誤審と言われているものも
審判の技術云々の前に
競技そのもののあり方が変化して
いるのに、
競技する側の対応が旧態依然で対応
できていないことが、よりズレを
広げて、誤審を生み出す元にも
なっているように思います。
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男子柔道の解説をしていた元100キロ級
代表の穴井隆将さんは、今回金メダル
を獲得した国が11か国にもおよび、
技の掛け方も変則的なものが増えて
きたことを踏まえて
ルール含めあり方が変化している
今日の柔道競技の中で、日本柔道
界も変革を迫られているのかもしれ
ない。
という警鐘を鳴らしています。
私の業務の主戦場である評価制度でも、
今の若者気質にうまくフィットして
いないんじゃないか
古いんじゃないか
と、悩んでいる人事の方も多いよう
に感じます。
柔道では、目に見える不具合と
して審判の技術の低下がオリンピック
では、やり玉に挙がっていましたが、
柔道の国際ルールが頻繁に改正
され、それが、より複雑化して、
なかなか審判の技術が追い付いて
いないことは、確かにあるかも
しれません。
ただ、そうやって、柔道が、より
国際基準の『JUDO』というスポーツ
に変わって、各国のレベルが上が
っていくなかで、
新ルールも含めて、これまでの
経験の上にたった日本の対策では
他国に遅れを取ってしまうことが
明らかになってきたとも言えます。
100キロ超級で斎藤選手が3位
決定戦で敗けたユスポフ選手の
帯を持つ変則的な速攻など、
世界にはいろんな技を繰り出す
選手がいるということに対応
できなかったことを目の当たり
にしたことが、
最初に紹介した
大学の指導者でもある穴井さんの
言葉につながります。
日本以上に柔道が盛んで、混合
団体戦で日本に勝ったフランスも、
個人の金はリネールの1つだけに
とどまり
基本に忠実な柔道スタイルが
浸透しているがゆえに、
日本と同様の課題を抱えている
と言えます。
評価制度では、運用が上手く
いかないと、
どうしても評価者の技術不足に
目がいきがちで、
評価者研修したり、
会議で最終評価を決定する
方法を取り入れたり、
より精度の高い評価になる
よう改善策を講じるのですが、
評価される側については、果た
してどれくらい評価の着眼点、
行動基準などが、説明されて
いるだろうか、とも思っています。
評価される側への説明は
評価に自信が持てない上司に
任せきりになっていることが
普通に行われていることに、
これまでの評価制度の歴史の
上にたった、評価、査定という
考え方のなごりが全くないとは
言えないように思います。
評価者や被評価者のスキルの
習得や、評価に公平性を求めて
制度を見直してきた人事部長から、
「今の自社の制度は古いんじゃないか」
「時代や若者にうけいれられないんじゃないか」
という意見を聞くことがあります。
私は、そういう意見を聞くと、
もう少し、身近なところに話を引き寄せて
「会社の経営戦略とあっていない
のかもしれませんね」
とお伝えしています。
評価制度は会社の経営戦略の
一部です。
同じ線上にあると考えれば
経営戦略が変われば、評価
制度は変わらなければなら
ないでしょう。
自社の経営戦略とあっているか
評価制度の先にはビジョンが
つながっているのか
そもそも、経営戦略の見直しが
必要なのか
検討するものは、世間や他社でなく
まずは、自社のなかにあります。
こういう漠然とした悩みを抱えて
おられるのは、100人以上の企業の
方が多いように感じます。
100人未満であれば、社長が改革
進めれば組織は変わりますが、
100人超えると、そう簡単では
ありません。
組織を変えるとは、意識を変える
ことに他なりません。
ですから、人事だけで変えようと
しても難しいということを薄々
感じているから、
人事部長は、踏み出せず、悩まれて
いるのだと思います。
でも、だからこそ
まずは組織づくりから始めてみては
どうでしょう。
あきらめの悪い私は、これからも
言うことだけは、続けていこうと
思います。
お読みいただきありがとうございました。
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