第1008号
雇用関係助成金で設定されている
「生産性要件」が廃止され
4月から「賃金引き上げに関する
要件」が適用されています。
これまでの生産性要件が「目標」
だとすると、その先の「目的」
である「賃上げ」そのものを
重視する傾向を打ち出してきた
ということだと思います。
これからも中小企業も
賃上げが必須であるなら
経営目標と個人目標をつなげて
賃上げ3%という目標を
会社側の目標から社員全体
の目標にすることで、
賃上げを継続して実践することが
望まれます。
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これまで長らく休止していた
「人材確保等支援助成金」のなかの
「人事評価改善等助成コース」が
賃金の3%以上のアップを要件として
復活したことからも、それを実感しています。
https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001237899.pdf
これまでは、企業の生産性が向上
しているかどうかを評価してきた
ものを、
その結果(目的)にあたる、
「毎月決まって支払われる賃金」の
額が3%以上増加しているかどうか
ということ自体が問われる助成金
となりました。
あらためて、大企業だから賃上げ
できる、ではなくて、
中小企業も継続的な賃上げが
避けられない状況です。
働き方改革の影響もあって、
評価シートに『生産性向上』
という指標が、
成果目標項目に記載されて
いることが多くなってきました。
ということは、今後同様に
賃金3%という数値目標を
個人目標としてそのまま
記載する代わりに、
賃金3%を実現するために
必要な売上や粗利が評価
項目に反映されていても
おかしくないと思います。
■中小企業は、高い賃上げより
も持続性が大切
助成金の要件でも3%の賃上げ
と明文化していることから、
3%ありきのように見えますが
中小企業に問われるのは
賃上げの持続性です。
人材不足、定着率を上げる
ため、ここ数年無理をして
賃上げに対応してきた会社が、
今後、一転して賃下げ、昇給
なし、とすることは難しいです。
現実的には、持続して上げて
いくことが可能な仕組みを作
っていて、それを開示できる
ことです。
まず優先するのは、妥当な
賃上げ水準の指標を持つこと
です。
これらが、賃上げのノウハウ
になります。
弊所ブログ↓
社員に説明できる、賃上げを可能にする方法
賃上げのためには
人件費を増やすことです。
それには、
売上のアップ
粗利益のアップ
ということが浮かびます。
そのための手段のひとつ
が生産性向上であり
こうした指標を
部門→部署→個人に
落とし込んでいって
それが明文化された
ものが評価シートの
成果(業績)評価項目
となる。という設計だと
思います。
今、ダイレクトに賃上げ
そのものを国から求められ
ているので、
評価項目、あるいは
数値設定自体の見直しが
必要になる会社もあると
思います。
本来、経営目標と賃上げは
連動しているので、
経営戦略として賃金3%
アップと決めたなら
「中期経営計画」を見れば
どうすれば賃金3%上げる
ことができるのか、
必要な売上や粗利がわかる
ように作ります。
その売上や粗利等を実行
するために
各部門の所属長が達成のため
の対策、アクションプランを
作ったうえでの目標数値という
ことになれば、数値に説得力
が出てきます。
その目標数値が
部門→部署→評価シートへ
降りているので、
経営目標と個人目標は
つながっていると言えます。
賃金3%実現を想定した
経営目標が個人目標に
落とし込まれているんだと
わかれば、
賃上げ3%という目標は
会社側の目標から社員全体
の目標になります。
どこかで、経営目標と個人
目標がとぎれてしまっている
のであれば、目標の見直し等
つなぎなおしが必要です。
お読みいただきありがとうございました。
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