初めて外部講師で研修するときの段取り

第1006号

今年、多くの企業が賃上げしましたが、
そのほかにも増えたもの(予定含む)と
して、従業員の1人当たり教育費があ
ります。

業務関連以外の研修はやってこなかっ
た関与先の会社からも、研修体系を
作りたいという要望を聞く機会が増えま
した。

「どんなものを実施すればよいのか」
とも聞かれるのですが、
一番大切なことは、どんな社員に
育ってほしいか、ということでは
ないかと思います。
————————————

私が関わっている会社の上司と
呼ばれている世代は、

「自分で成長していくもの」
という考え方の方もまだまだ
多い気がしています。

研修を年間スケジュールに
落とし込んで実施していく
ためには、

最初の、まずは「実施した」
という第1歩から進んで、
研修自体の成果が求められます。

それには、段取りが大切です。

そもそも、教育費が増えたのは

・コロナですべての研修がストップ
していたものが回復してきた

というだけでなく、

・労働力不足を生産性向上で補う
ために社員の底上げが必要になった

・この会社で成長できるという
実感を持って社員に定着してほしい

・中高年以上のリスキリングへの対応

これらの要因が重なり、
今後ますます増加していくだろう
と言われています。

中小企業では特に人材不足には
危機感があることもあって、実際
企業規模に関係なく増えています。

そこで、

「どんな内容を実施すればよいのか」

「そろそろ研修体系を作って定期的に
やっていきたい」

というご相談をいただく機会が増え
ました。

段取り八分、とまでは言わない
までも、研修をより効果的なもの
にするために、段取りは大切です。

私が会社に伝えてきたことは

———————-
研修を行う目的
終了後、どうなってほしいか
———————–

ここを明確にしておかないと
研修を行うこと自体が目的に
なってしまいます。

目的を明確にすると
対象者が決まってきます。

どんなテーマ、どんな講座が
よいのかが判断できます。
→階層別研修、目的別、職種別研修

———————–
現状と理想の確認
————————

どういったレベル感のものを
行うのか、

必ずしも自社の部長に管理職
研修が合うとは限りません。

働き方、責任の程度によって
は、中堅職向けや課長向け
研修から受講していくことが
合っている場合もあります。

————————-
いつ研修するのか
研修方法は対面かオンラインか
————————-

スケジュール調整によって

事業所ごとに行うのか
本部に集めるのか

実施方法が決まってきます。

———————–
なぜ研修をするのかを社内に
伝える
————————

研修を企画して実施するとき
は、なぜ、この研修を行うの
かを社員の方に参加案内する
ときに、一緒に伝えておくこと
が大切です。

気持ちよく上司に送り出して
もらうためにも、

何のための研修なのか、を
「伝わる」ことを意識した
説明が必要で、

単なる「お知らせ」では伝わり
ません。

出席率を上げるためには

・興味を持ってもらうこと
・研修の優先順位を明確にすること

研修の優先順位は、実は明確に
されていないように思っています。

「出来るだけ参加してほしい」
のか、

「仕事を調整して参加は必須」
なのか

経営者からの発信が重要です。

————————–
研修後のフォロー
—————————

あらかじめ研修効果を測る
方法を決めておきます。

研修ではなかなか行動を
変えるところまでの機能は
ないのですが、

それでも、行動量や行動の
変化を測定できるような研修
の設計をしたいものです。

加えて、実務の場での行動変化
にもっていくために、
研修後に会社ができることとして

上司との面談で振り返りの
実施やフォロー研修、宿題の
提出などを、あらかじめ組み込
んでおくことが有効です。

研修でできることは、
人が変わっていく6段階の

知らない

知っている

やってみる

わかる

できる

している

 (ホメオスタシスの壁)

「知らない」を「知っている」
あるいは最大で「やってみる」
レベルに引き上げるまでが
研修の役割であり目的です。

人材育成のゴールと
研修のゴールは切り分けたうえで、
まずは、研修の最大の効果を
引き出すための段取りが大切
です。

会社のことを一番わかっている
のは、研修会社や講師でなく、
会社です。

これから初めて研修を実際される
ときの参考になれば幸いです。

お読みいただきありがとうございました。

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