第977号
普段から胃腸が強くない私は
常備薬として正露丸を置いて
います。
先日、急な胃けいれんになって、
正露丸を飲みましたが、効きません。
翌日、薬局の薬剤師さんに言わ
れたのは、
「胃けいれんには正露丸は効き
ませんよ」
という一言でした。
これまで、お腹が痛い=正露丸→回復
ということが習慣になっていま
したが、
正露丸の効能をあらためて読んで
みると、
確かに効く症状が違うようです。
勝手に万能だと思っていました。
今までの考えのままだと、また、
胃けいれんに襲われても、七転
八倒するところでした。
思い込みを取り払い、情報の
アップデートをしなければ、と
思わされる出来事でした。
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あらためて、薬局の胃腸薬コーナー
を見ると、いろいろな薬が発売
されています。
薬剤師さんにすすめられた薬も、
確かに以前からCMが流れていま
した。
思い込みがあるうちは、アンテナ
に引っかかってきません。
今までがそうだったからといって
症状が違っていることに気が付かず
同じ薬を飲み続けていては、治る
ものも治りません。
若手社員のアンケート結果を見ると
「一生この会社で務めるかどうか
はわからない」
という考え方が当たり前になり
つつあることがわかります。
中小企業としては、
やっと採用できた社員には、長く
勤めてほしいと思っていますが、
国が労働の流動化を後押しして
いることも考えると、
少なくとも
終身雇用が当たり前、ではなく
なってきていることは否定でき
ません。
日経新聞が2月27日の朝刊21面で
2023年、転職希望者が初めて1000万人
を超えたことを取り上げ、
とはいえ、実際に転職した人は
350万人にとどまる、と書いていました。
常に転職を「検討中」の人材を
いかに会社の戦力にできるかが
重要になります。
入社したときから、
いずれは転職できたら、、、
と思っているのを
結果として
「少しでも長く勤めてもらう」
ために
終身雇用を前提とした育成から、
今どきの仕様にアップデートする
必要があると思っています。
ポイントの一つ目は
育成には時間がかかるのが当たり前
と思っていますが
確かにそれはそうですが
いかにスピードアップできるか、です。
そのカギは
できないところをできるようにする
=育てる
ということではなくて
できるだけ長所に目を向けて伸ばす
=育てる(実際には「育つ」)
という考え方をすることです。
そう考えると、
評価制度の「キャリアパス」の年数も
見直す必要がでてきます。
例えば、一般職(1~3等級)を
卒業するまでに10年、として
モデル賃金や職務内容を作って
いるなら
どれくらいの年数に短縮するのか
今まで最短の場合として
設定していた年数を
通常仕様に変更したりする
ことが考えられます。
昇給や昇進の考え方も
変わってきます。
ねらいは、
育ちながら成果も出してもらう
ことです。
そのためには
逆行するようにも思えますが
「我慢し、見守る覚悟」をもって
仕事を任せることだと思います。
今どきの仕様にアップデートする
ポイント、二つ目は
終身雇用がくずれようと
どうしようと、
会社としては、だからこそ、
高い成果を継続して発揮し続け
てもらうことを意識した
関わり方をする必要があります。
「何も教えてもらえない」
ということにならないように
「自ら育つ」という
意識を持ってもらうための
仕組みや場づくりです。
受け身でなく、能動的に
行動してもらうために必要
なことは、
できるだけ、本人の強みを
活かした仕事の任せ方をする
ことだと思います。
その結果
「個人と組織が一体となり、
双方の成長に貢献しあう関係」を
築くことができれば
それは、エンゲージメントが
高まる、ということでもあります。
これまでよりも勤続年数が
短くなることを頭に入れつつ、
早く戦力になってもらい
成果を出し続けてもらうには
組織への愛着や貢献と訳される
『エンゲージメント』は重要です。
人がなかなか採用できないことから
採用のやり方はずいぶん見直されて
きたように思いますが、
新入社員をもうすぐ迎える、この
タイミングで、
新入社員の時から、
どのように育ってもらうのか
育て方もアップデートしてみては
どうだろう、と思います。
お読みいただきありがとうございました。
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