人事制度、使っていますか

第974号

2月、3月という今くらいの時期になると
関与先の企業でも
人事評価制度の4月からのスタート
を目指して、社員説明会を開いたり

昇給の前に、評価シートの
見直しをしたり、

私もこの時期、それらに関連
したご相談を受けるように
なります。

同様に、

「評価制度を見直したいのですが」
という新規のお客様からご相談
をいただいて、

いろいろお話をうかがってみると

賃金制度は
初任給を上げたり
金額のピッチを変更したり
いろいろ手直しされているの
ですが

評価項目はもう何年も
見直していない、という
場合があったりします。

評価項目は、社員の成長や
会社の目標が変われば
それが見直すタイミングだと
思っています。

ですから、
評価項目をもう何年も見直し
ていないとお聞きすると、

それは、評価制度を使って
いるとは言えないのでは
ないか、
と失礼ながら思ってしまい
ます。
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作成段階では、
原則としては、作ったら1年は
今の評価シートでやり切って
ください。

という考えをお伝えしています。

評価項目を見直すタイミングというのは
その評価シートの対象者の8割が
その項目をほぼできる状態になったら
評価項目を見直します。

見直しするとは、
社員の「成長」を表すことでも
あります。

コロナ禍のように、取り巻く環境が
変わって働き方が変わったら、
そういうときも、評価項目を見直し
ます。

コロナの渦中のとき

そして

コロナ禍を経て現在

いずれも、働き方や考え方の
変化を反映して、

評価項目を見直した
という会社が事実私の周りでも
多かったものです。

評価項目は固定でなく、見直し
ありき、です。

経営の視点から見ても
——————————————————————————————-
(参考データ)帝国データバンクが実施した
「中小企業の経営力及び組織に関する調査研究」

https://www.meti.go.jp/meti_lib/report/2021FY/000046.pdf?_fsi=8eVGFoIH
——————————————————————————————-

(51ページ 53ページをご参照)

を見ると、

従業員規模に関わらず、
人事評価制度がある企業の方が
導入していない企業に比べて
売上高増加率が高い結果となって
います。

人事評価制度の見直し状況別に見た、
売上高増加率の調査では

10年以上見直していない→ 0.2%

定期的ではないが、10年以内に見直したことがある→ 6.4%

数年に1度など定期的に見直している→ 12.8%

帝国データバンク「中小企業の経営力及び組織に関する調査研究」

見直したほうが、高い結果に
なっています。

企業にとって人事評価制度は
組織の成長にプラスに働くことは
間違いありません。

評価と売上げが関連している
のは、元より、

経営戦略のもとに、
人事戦略があるからです。

そもそも
人事制度を使っているとは

言い換えると、

「運用」できているかどうか
ということなんですが、

評価項目の見直しを定期的に
行っていない会社というのは

運用とは

・社員から、不平不満の声が聞こえてこない
・全員が締切を守って、評価結果を提出している

こういう状況であれば、
運用できている、

少なくとも、
手をつけなくても、当分大丈夫

だと思っておられるのだと思います。

でも、そう思っているうちに
制度は形骸化してしまいます。

評価制度を本当の意味で
”使っている”状態に引き上げるには

・スケジュールに落とし込む
・評価者スキルを引き上げる 

ということだと思います。

スケジュールに落とし込むとは
評価項目の見直しも含めて

部下面談日程の定例化
評価の実施日
評価者会議の日
評価のフィードバック日程
処遇の決定時期
次期目標設定のための部下面談日程

これら以外にも
会社によっては必要な業務が
あるかもしれませんが

定例業務として、
年間スケジュールに
落とし込んで、

あらかじめ時間を確保
することが大切です。

そうして、続けていくことで
定例業務が習慣化されます。

そのためにも、

”忙しい”より”スケジュール”
が優先されるよう
最初に、社長にそのことを
宣言してもらうことも効果
があります。


時間を確保することで
本業に支障が出るという
意見はよく聞きます。

確かに最初は『負担』が
大きく
『効果』は少ないですが

だからこそ、

評価者スキルの向上が
重要だと思います。

日常の部下の観察を書き留め
て、評価やフィードバックに活か
したり、

研修や、テンプレートを使う
ことで「やり方」を身に付けて

実践し続けることで
『負担』と『効果』がいずれ
逆転します。

制度はあくまで手段です。

「人事制度で効果がでない」
「制度の手直しをしよう」

と思ったら、

その前に、

何のために評価制度を
作ったのかを思い出して
いただき、

じゃあ、それって
制度に問題があるのか?

運用ができていないのか?

まずはそこを見極めるところ
から始めていただければと
思います。

お読みいただきありがとうございました。
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2月20日(火)
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