第942号
知り合いの研修講師の方と話していて、
人って育てるものじゃなくて
「育つ」ものなんだよねという
話になりました。
育ちたい、と本人が思わないと
育たないということです。
じゃあ、社員に育ちたいと
思ってもらうために
何をすればよいかというと、
たとえば
「研修」したり
「報酬を上げる」
ということではありません。
何をすれば、会社は自分に
報いてくれるのかを示して
自発的にやりたいと思ってもらう
ことが、
“自ら育つ”につながる
のだと思います。
そして、育てるではなくて、
(自発的に)育つという状態は、
言い換えると
エンゲージメントが高いと
言えるのではないかと思います。
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初めてお会いした経営者の方に
人材育成についてお話していて、
「人材育成は必要かもしれませんが、
なんで給料払っているうえに
お金払って学ばせないといけないんだ
って思っています。
これが経営者の本音なんですよ」
以前、そう言われて、私の言いたいことは、、、
と、うまく説明できなかったことが
あります。
経営者の方のなかには、
「社員に喜んでもらうために
福利厚生を充実させよう」
とか、
「学びたいことがあれば
会社が受講料を全額負担して
研修を受講させる」
という会社もあります。
どちらも、会社が与えなければ
ならない、と考えてしまって
いるのだと思います。
与えることが、自分で育つことに
つながるわけでも、
エンゲージメントが高くなることに
つながるわけでもありません。
『受け身』では結局のところ
「もっと成長したいのに」
「もっと仕事がしたいのに」
”会社は何もしてくれない”
ということになってしまいかねません。
福利厚生の充実も
研修も
それが悪いことではありません。
会社が「与える」(してあげる)
という視点でやるのは違うという
ことです。
会社が求めているのは
「受け身」で会社に居ることではなく
各個人が大切にしている価値観と
会社の方向性が合致したうえで
自ら、組織に貢献、活躍してほしい。
というものです。
その結果、労働力人口が減少
している今の時代に、会社の
成長や生産性向上につながる
ことを期待しています。
何かを与えて、そうなって
もらうということでなく
自分で育つような仕組みを
作ることが、会社ができる
ことだと思います。
社員がこの会社で行動すれば
どういうものが手に入るのか(=会社のビジョン)
それが自分にとって価値ある
ものだと共感できれば
それを得るために
自ら育つ(成長しよう)と
思うようになります。
もう少し具体的に言うなら
会社にはビジョンから
逆算した、ここから先の
成長のイメージがあります。
この部門にはこういう生産性を
達成してほしい。
この部門には、こういう製造
スキルを持ってほしい。
“こうしたい”
“こうなりたい”
という目的があります。
それを個人レベルまで
下していくと
社員にはこういうレベルに
なってほしい
こういうものを身に付けて
ほしい
という会社が求める個人の
目標が見えてきます。
ただ、それが必ずしも
社員一人一人にとって
受け入れられるものとは
限りません。
この会社で達成したい
ものとは違う可能性が
あります。
そこを話し合いで
いかに共通項をみつけて
合わせていけるか
このコミュニケーションが
大切です。
本人がやりたいことと
会社として実現したいこと
この2つを円とするなら
円と円が重なる部分が
できるように、
そして、その重なりが
大きくなるように
本人の得意なこと、強みを
活かせるように話し会って
互いの考えを合わせていきます。
会社が社員を育てようと
しなくても
本人の成長が会社の成長に
つながることを意識できる
ようになったとき、
社員は成長したいと自ら
行動し、エンゲージメントも
高まるのだと思います。
お読みいただきありがとうございました。
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