第929号
前回は等級制度(等級基準書)
について
人事評価制度の骨子であり、
社内の認識を揃えるツール
だというお話をしました。
もう少しだけ等級制度について
お話したいと思います。
等級制度の各段階をまとめた
ものである等級基準書。
作るのは難しいという声を
聞きますが、私は無理に具体的に
書かなくても、抽象的なもので
よいと思っています。
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等級ごとの基準(レベル)を
あらわした等級制度ですが
一人の社員について
1等級から2等級、3等級と
上がっていく様子は
組織の中での
社員の成長段階を見ていく
ということでもあります。
この会社でどう育ってほしい
のかが各等級の要件として、
等級基準書に書かれています。
そのため、これを採用資料
として使用している会社も
あります。
ただ、どうしても全職種
共通の基準として作成する
ので抽象的になります。
実際のところ、
「これでは、等級を決められない」
という声が上がることが
あります。
それは、抽象的というより
曖昧な表現になってしまって
いるからだと思っています。
あえて具体的に書く必要は
ないと思っていて、
むしろ具体的な事例を
より一般化した事象に
置き換える形にします。
作成時の土台になるのが
会社が目指すこと=ビジョン
果たすべき役割、やるべきこと=ミッション
そして、
行動指針であるバリューです。
これを、
会社が目指すこと→社員に期待すること→等級基準書に落とし込む
という流れにあてはめます。
会社が目指す
“ ビジョンを実現しているとき ”
の社員に期待すること、
というのがポイントです。
具体的なものは、
職種別の基準書で書くことに
なりますが、
私が関与する会社では、
そこまでの時間や労力を
かけられないことが多いので、
必要に応じて、口頭で
上司が自部署の職務に
合うように翻訳して
部下に伝えています。
組織が大きくなって
第一営業部
第二営業部
という形態になって
翻訳者が複数に
なった場合は、
翻訳内容が人によって
変わって伝えられる可能性
があるので
そのタイミングで、明文化
する必要があります。
なお、部下を持つことを
前提としたマネジメント職
だけでなく
部下を持たなかったり、
その成長支援を評価対象
としないスペシャリストや
プロフェッショナルと称される
対象者についても、
求めるものが違う部分
については、
そこは分けて、基準を作って
おくことも必要です。
求める基準をどれくらい
達成できていれば
昇格させてもよいですか
と聞かれることがありますが、
その等級に必要なことだけ
書いているのが等級基準書
ですから
必要なことは、すべて満たして
いることが前提です。
人事評価制度のスタート時には
実力と合っていない等級に
格付けしてスタートせざるを
得ないことがあります。
実力との差異を説明し、
期間を決めて、格付けした
等級に見合った実力を
つけてもらうためにも、
等級基準書を使って
どうすれば昇格できるのか
という条件を示し
評価シートの点数で
現在地を示して
納得してもらってスタート
することが大切です。
人事評価制度は今を評価
するだけでなく
成長した未来のための
人材育成のための制度です。
そして、その先には
ビジョンを実現するための
組織づくりと繋がっている
ことを
意識させてくれるのが
等級制度だと思います。
お読みいただき、ありがとうございました。
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