仕事を任せるだけではうまくいかない

第829号

何年かぶりに、昔、働いていた会社の前を
通りました。

土曜日だったこともあって、オフィス街は
シーンとしています。

ふと、懐かしい先輩のことを思い出しました。

そろそろ、世の中が完全週休二日制に
なろうとしていたころ、
ちょっとだけ土曜日出勤して、
やり残した仕事をして帰る、

というのが、私のルーティン
に、なり出していました。

土曜日出勤者同志で、なんとなく
仲間意識ができたりして、
部署を越えた人間関係っていいなぁって
思っていたとき、

隣の部署の先輩が、私の仕事を取り上げて、
「もう帰りなさい、ダメだよ
こういうのは」

と、ものすごい剣幕で叱られました。

「先輩だって、出勤してるじゃないですか」
なんて言う余裕もありません。

リーダーなのに、後輩に仕事を
振れなくて、土曜日出勤していた
私の仕事を

翌週、聞きつけた上司が
一気に周りに仕事を振り分けて、
私の土曜日出勤は終了しました。

私のように、任せるのが下手な人も
います。

自分でやったほうがいろいろ楽、
という行動パターンは

自分だけで変えるのは難しい
ものです。

・無理やり仕事を取り上げるか

・任せることを仕組みにするか

荒療治はちょっと無理、

だったら、任せた後を、
仕組みにすることだと思います。
—————————————————————–

私自身、いっぱい”量”を働いて
「がんばっている」つもりでしたが、

今なら生産性が低い働き方
だってわかります。

土曜日にちょっとだけ出勤って、
効率悪すぎます。

上司としては、

土曜日にまで来るような
そんな働き方をしてほしい
とは思ってなかった

と、あとから聞きました。

もっと、早く言ってよ、
っていう感じです。

上司も、

だったら聞いてよ
と思ったかもしれません。

こういう行き違いって
今でも普通にあるのではないでしょうか。

やっぱりコミュニケーションが
大事。

うまくやってね。

では、何も変わりません。

私は先輩に土曜日出勤する、という
行動パターンを断ち切って
もらいました。

荒療治も時には有効ですが、
また同じ状況になったら
同じような仕事のパターンに
戻る可能性が大です。

「任せます」

「任されました」

だけでは、うまくいきません。

私が抱えていた仕事を
上司は、一気に周りに
振り分けられたのは、

・何をどこまで任せてよいのか、

・相手の力量

・どういう伝え方をすればやれるのか

・どういう仕事が向いているのか

これがわかっていたからです。

これができるようになることが
いわゆるマネジメント力でもあると
思います。

視野を広げて、もう一段成長
することを期待されていたのだと
思います。

何をどこまで任せるのか

という範囲を明確にして
共通認識しておくことは
任せるうえで大切です。

でもそれが出来ても、

それでも、
いろいろ指導したり、
進捗状況を確認したり。

口出ししたくなることだって
あります。

そのたびに、言ったほうがいいか

言わないほうがいいか等、

意識して対応することは
たくさん出てきそうです。

だったら、

自分でやったほうがよい、
と、やっぱりなってしまわない
ためには、

口出ししたくなること前提で

あらかじめ仕組みにしておけば
任せることも、もっと楽にできる
のではないかと思っています。

どうして、そこまでして
任せる必要があるのでしょうか。

(チーム)リーダーがトップにいて
チームを率いて指示を出す形だけが
リーダーではありません。

むしろ、

チームで目標を共有し
皆で強力しあって達成するのを
下から支援するリーダーが

前回のブログで書いた
人を「人的資本」ととらえて
人的資本の最大化を図るうえでも
目指すリーダー像だと思っています。

そうであれば、それを
設計することが

部下を育てるだけでなく

リーダーのマネジメント力を
育てるためにも大切です。

定例ミーティングで
皆(チーム)で意見を出し合って、
お互いに助け合い、
部下面談(1対1)で進捗確認する

口出しできるかどうかは
別にしても、

相談できる場はちゃんと
確保しておく設計です。

これらの仕組みを整えるのは
会社の役割だと思います。

でも実は一番任せられていないのが
人事だったりもするので、
悩ましいところです。

お読みいただき、ありがとうございました。
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