第816号
戦略と戦術、こんな言葉をあらためて考える
きっかけになった記事があります。
https://news.yahoo.co.jp/articles/0cd155d5e5cad1a60731c1ba1a16dcfb85ff4951
サッカー男子日本代表が3-0で大敗した
チュニジア戦後の三苫薫選手の発言が
発端でした。
危機感から、
「チームとしてどう攻めていくか
“決まりごと”のようなものが必要」
という発言に対して取材に応じた
森保監督の言葉は、
「彼自体が戦術であるというところ。
個で打開する能力がある選手である
からこそ託している。
(略)
『薫が戦術なんだ』」
戦術は三苫ってどういうことでしょう。
戦術は選手個々に任せていると、
聞こえます。
それならそれで、
”決まり事”いわゆる戦略を
示してほしい、
というのが、三苫選手の言いたい
ことです。
そこでネットがざわつきました。
戦略があって戦術があると
考えるのが一般的です。
成果は戦略×実行です。
今は、戦略より実行に比重がかかる
傾向には違いありませんが、
戦術だけでは、糸の切れた凧です。
————————————————————–
三苫選手の発言から、
このチームに戦略があるかないか
までは、わかりませんが、
ワールドカップを5カ月後に控え、
どうやら戦略が共有されていない
ことは、事実のようです。
選手としては、意を決して
言っているのに
「薫が戦術なんだ」
と言われても、、、です。
かみ合っていません。
戦略と戦術は、ざっくりと
「方針」と「実行」
というふうに分けて
私は捉えています。
戦術だけだとどうなるか
というと、
現場はがんばっているのに
結果がでない。
という状況だと思います。
絶対戦術だけでは結果が
出ない、とは言いませんが、
”継続して勝つ”ことは
難しいと言えます。
戦略がふわっとしていて
明確になっていないので
上司も部下に聞かれても
答えられない、
仕事においてもよくあること
のように思います。
日本代表のように、一見すると
知らなくても、個の力で仕事が
回っている(ようにみえる)
大企業なら、なおさらです。
先日亡くなられた
元日本代表監督のオシムさんは
「サッカーでは、がむしゃらに
走ればいいというものではない。
重要なのは走りながら考えることだ」
と言っています。
この走りながら考えるときに
指針となるのが戦略です。
戦略がなければ、がむしゃらに
走り続けるだけ、
となってしまいます。
チュニジア戦のように
戦い方のイメージをこれまで
提示してきたMFの守田選手が
出られないと、
いわゆる糸の切れた凧になって
しまいます。
チュニジア戦を観戦した
元日本代表の中村憲剛さんが
「攻撃の設計図を共有しきれていないのでは」
という表現をしていました。
設計図、つまり、
グランドデザインというか
全体戦略を描けていないのでは、
と、いうことだと思います。
「どうやって点を取るのか」
という戦略が共有されていなければ
臨機応変試合中に
3トップの中央には誰を置く(=戦術)
説明ができない、
ということなんだと思います。
説明できないということは
その配置に、遅れやズレが
生じてしまいます。
サッカーではその隙が
命取りです。
成果を出すのは
戦略×実行です。
何を実行するかと言えば
戦術です。
戦術の精度を上げるには
人材の成長が必要です。
森保監督が三苫選手に
期待を込めて
「薫が戦術なんだ」と
言っている意図は
個の成長を願っている
ということだと理解
できますが、
その前提の戦略の共有が
できていないとなれば
やはり丸投げと
言わざるを得ないと思います。
仕事の場において、
サッカーのように3-0で
大敗するような、わかりやすい
ほころびは見えにくいかも
しれませんが、
いくら人材が成長したとしても
個の力だけで、組織を支えるには
限界があります。
どんなにがんばっても
成果がでない
うまくいかない
というとき
戦術の見直しをすることは
多いと思いますが、
元になる戦略が描き切れているか
社内で共有されているか
この点を確認してみる必要が、
やっぱりあるのではないかと
思います。
お読みいただき、ありがとうございました。
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