第804号
先日、秋からの賃金制度変更の
社員説明会資料の打ち合わせを
しているとき
「人と人は違うから、どういう質問が
でてくるかわかりません。
このページ、誤解を招くといけないので
最初から外しておきましょうか」
こんなやり取りが、
社長と人事部長の間で
交わされていました。
今はテレビドラマを見ていても
普通に出てくる「人と人は違うから」
で、違うから
どうなんでしょうか?
確かに、受け取りかたは
人それぞれ。
今回も、どういう質問を
してこられるかわかりません。
だからといって、
最初から、関わることを避けたり、
思いめぐらしていては
賃金制度の説明になりません。
人と人は違うってことに
せっかく気づいたのに
それがかえって関係性を
悪くしてしまうのであれば、
もったいないです。
人と人は違うということを
どう乗り越えて共通の目的を
もつことができるかまでを含めて、
人と人は違う、の本当に言いたい
こと(意味合い)だと思っています。
———————————————-
人と人が違うことには
根拠があります。
何度かお話している
「効き脳」のベースとなっているのが
『ハーマンモデル理論』です。
人の脳は、大きく分けて、
左右で2つ、内側と外側で2つ、
A:論理的、理性的
B:堅実的、計画的
C:感覚的、友好的
D:冒険的、想像的
計4つに分けることができる
というものです。
そしてその思考の特長を挙げると
Aの強い人は、
理屈っぽく考える人。論理的です。
Bの強い人は、
保守的に考える人。計画を重んじます。
Cの強い人は、
人間関係を最優先に考える人です。
Dの強い人は、
全体として物事を捉える人。
イメージで物を考えます。
Bの人がひとつひとつ
積み上げるように
理解していくのに対して
Dの人は、まず全体像を
とらえることを優先します。
ですから、賃金制度を説明するときに、
概要を説明して、
実際のところは、
仮運用で体験してみてください。
という説明だと、
Dは、この説明だけで
「イメージつかめた」と
安心できますが、
Bの人はどうしてそういう結果に
なるのか道筋が見えないので
不安でいっぱいになります。
そうすると、どうしても
細かい質問をしてくることも
あり得ます。
あらかじめこういう特性が
わかっていれば
どうしてそういう質問
してくるのかを、恐れすぎる
こともないですし、
説明の仕方をあらかじめ
工夫することもできると
いうものです。
でも、人と人は違う、
ということを知っている
だけでは、
説明することを面倒くさい、
とか
先送りしよう、
とか
思ってしまっても
無理ありません。
お互いの理解を深めるためには
共通の目的やビジョンを共有する
ことが必要です。
これがあるから説明できるし、
説明しなければ、と
思えるのだと思うのです。
先ほどの賃金制度の説明会を
例にとれば、
皆の思考がそれぞれ違うことを
前提にして、
賃金制度の何をわかってもらえば
よいのか、
どういう部分について説明するのか。
まずは、
・全体に伝えること
・後日個別に伝えること
あるいは
・仮運用で体験して実感してもらうこと
こうして分けてみることだと思います。
そして何より伝えなければ
ならないことは
「何のために」という目的の部分です。
そこに共感してもらうことに
まずは注力して、
そのあとは、
人と人は違っても、
”同じ目的のために”
わかりあうこと、協力しあうことは
十分可能です。
お読みいただき、ありがとうございました。
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