第699号
中小企業でも4月から
同一労働同一賃金が始まりました。
法律が求めている
不合理な待遇差の是正は、
最高裁の判決でもわかるように
いわゆるグレーの部分が
大きいことから、
シロ、クロの明確な判断は
難しいものです。
では、どうするのか?
その待遇はどのように
考えて、何を考慮した
ものなのか、を
説明できるかということが、
ポイントにになります。
結局のところ
不合理な待遇差の是正は
労使の話し合いでしか
解消できません。
『非正規の労働者から
求めがあった場合には、
労働者に対する待遇に
関する説明を実施する』
というのも義務化されました。
いかに説明に共感、
納得してもらえるか
合意形成するための
『対話』を重ねることが
重要になります。
ここを間違わないように
しなければ
同一労働同一賃金が
労働争議の火種や
賃上げの条件闘争に
なりかねませんが、
ここで『対話』という
手段を得て、会社の
構造改革ができれば
生産性の向上にも
つながります。
同一労働同一賃金が
「法律で決まったからしかたない」
という受け身の対応が
攻めの対応に変える
チャンスです。
「私の待遇はどうなっているんですか?」
これは、有期雇用の
労働者だけではありません。
不満を持っている無しに
関わらず、
機会があれば
聞いてみたいと
思っている労働者は
多いものです。
会社は入社時に、
労働条件通知書で
労働条件を説明しています。
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労働条件通知書は
雇用契約を結ぶ際に、
事業主側から労働者に
書面で通知する義務のある
事項を記載したものです。
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いったい入社時の説明で
どれくらいの人が
労働条件を理解して
いるでしょうか。
入社時に、自分の
待遇を正しく理解
できていれば
状況は変わって
いるのではないか、
と思うのです。
法令順守が
ゴールなら
書面での記載が
義務付けられている
項目が書かれた
ひな形を埋めれば
それでよいのですが、
厚生労働省「労働条件通知書」ひな形
今の時代に
労働者が知りたい情報が
伝えられているかと
言われると
労働条件通知書の
項目だけでは足りません。
ひな形には限界が
あります。
例えば、書面で通知する
とされている、
『賃金の決定、計算の通知』に
書く内容には
割増賃金率だけでなく
割増賃金の単価も
労働者にとって
知りたい情報でしょう。
従事する業務の内容も
職種=営業
と書くだけでは足りず、
仕事の責任の程度
などは、言及して
おきたいものです。
日本では
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労働契約の締結時には
たとえ書面による合意
がなくとも、
労働者が会社に使用されて
労働し、賃金を支払うことの
合意さえあれば労働契約は
成立しうる。
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とされています。
このあいまいさが、
行き違いや
無用な労働争議を
招く原因にもなります。
兼業、副業、
そして
テレワーク
による勤務が増え
就業規則や
評価制度を見直す
会社が増えている
ようです。
包括的な規定を
整えることも大事ですが
まず個々の
労働者と会社は
何を労働条件
として確認し、
合意するのか
そして、
労働条件通知書は
入社時に1回、渡すもの。
(ほんとにそれだけで大丈夫?)
ということも
柔軟に考えて
今、
法律ではなく
自社の実務に
即した形で
伝えなければ
ならないことを
明確にして伝える
ことが重要です。
お読みいただき、ありがとうございました。
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