第688号
久しぶりに降りた駅で歩いていると
見覚えのあるビル。
このビルに入っている
会社の社長に
「そんな話は聞きたくない。
とにかく辞めてもらうんだ」
と、言われたことを
思い出します。
もう10年程度前です。
社員の解雇の相談を
受けるために訪問
したときの言葉です。
私がする説明が
いかにも法律論で
言い方が
「こうあるべき」という
士業とか先生業に
ありがちな上からの
言い方になっていたのでしょう。
当時の私は
解雇には手順を踏まないと
かえってリスクが広がる。
私の言い方はさておき、
言っていることは
間違っていない。
と、思っていました。
正しいか、
正しくないかを
伝えようとしている、
と、相手にとられる
ような伝え方では
ダメなんです。
結局、私は社長に
寄り添わず
自分を正当化し、
社長は、辞めてもらう
と決めたら、
指導や教育をせず、
社員を放任して
いました。
私も社長も、
相手を観ようと
していませんでした。
その会社とは
そのあと、
疎遠になって
しまったので、
取返しはつきません。
その後、学んだ
チームビルディングで
「U理論」に出会いました。
以前ブログで
U理論について書きました。
なかなか説明が難しいので
ざっくりした説明ですが
人の意識が
変わることによって
現実の結果が
変わってくることを
そのプロセスで
説明したものが
「U理論」です。
過去のパターン
から脱却し
真の内面の
自己(源泉)に
重きをおこう、と
説いています。
図の上に行くか、
下に行くかで
破滅か、進化かに
分かれます。
分かれ道は
やっぱり「観ているか」
「観ていないか」
相手を観ようとしないと、
(図の上側の半円)
(周囲を)「感知しない」
↓
「傲慢」(他人のせいにする)
↓
「自己欺瞞」(自分を無理やり正当化)
↓
関わりを棄てて相手を避ける
「棄てる」
↓
修復不可能
「破壊」
人間関係は
壊れてしまいます。
組織で、自分ごととせず
他人ごととしている人が
大勢を占めれば
その組織は破壊に
向かっています。
一方
相手を「観よう」と
するところから始めると、
(図の下側に描かれた半円)
相手の意図を
「感じ取る」ことができます。
↓
「プレゼンシング」で
新たなインスピレーションが生まれ
過去のパターンにとらわれなくなり
↓
「実践」という行動につながります。
解雇できる、できない、
という相手が求める問いに
答えることも大切です。
(もちろん、伝え方も大事です)が、
それでは、また次の
「辞めてほしい」が
繰り返されます。
私にできることは
社長が何を
どう考えているのかに
寄り添い、
観る世界を広げて
もらえるように
することでした。
人の考えを
変えることは
誰にもできませんから。
結局
「そんな話は聞きたくない」
と、言われてしまうかも
しれません。
それでも、
今、盲目状態ですよ
観れていないですよ
という、状態に
気づいてもらえるように
対話することはできます。
私の場合
口癖でつい
「でも」
と口にしてしまいます。
伝えたいことがあって
接続詞代わりのレベルの
「でも」なのか
正論にこだわる
(相手を観ない)状態の
強制力としての
「でも」なのか
口にしてしまった
あとからでも、
立ち止まって
考えます。
U理論の上側に
いかないように
あるいは、
上がっても
下に戻れるための
自分自身の
気づきのポイントです。
お読みいただき、ありがとうございました。
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