未知の世界への挑戦

第622号鈴木早苗ブログ

「雇用調整助成金」

厚生労働省が管轄で
今回の緊急支援策の
目玉のひとつです。

顧問先の方も
優先順位の一番に上げて
この支給申請に取り組んで
います。

これがなかなか申請書類が多いのです。

一方、経済産業省が管轄の
持続化給付金。

これだけでいいの?って
いうくらい、
必要資料が少ないです。
実際に申請しようと思うと
いろいろ疑問も出てくる
のかもしれませんが、

申請できそうと思わせるものです。
https://www.meti.go.jp/covid-19/pdf/kyufukin.pdf

雇用調整助成金は
労働者に休業手当を
支給しているかどうかが
要件ですが、

会社ごとに
賃金体系がバラバラで
それをもとに、
添付資料を作成するのが
実情を把握している
顧問社労士でも一苦労です。

雇用調整助成金は、
以前からある助成金で
もともとあった助成金の
特例という形で
登場しました。

当初は、もとの
雇用調整助成金の
申請方法等を下敷きに
大部分を踏襲した形で
スタートしましたが、

その後、これでは
誰も申請しない

必要なときに
間に合わない

ということに
どうやら厚生省が
気づいて、

申請ガイドブックが
月に何度も改訂される
という異常事態に
なりました。

それでも申請社数が
増えず、ようやく
支給額の上限規制が
外されることになりました。

企業には雇用を維持してほしい。

6割の休業手当では
生活を維持できないという
声に応えて

なんとか助けになれば

という想いとは裏腹に

ルールが障壁になっています。

最初のスキームが
間違っていると
後から
取ったり、
付けたり、
上に載せたりしても

付け焼刃では
良くはなりません。

スキームとは
計画、体系、枠組み
(出典:デジタル大辞泉)
という意味です。

去年の今頃
人事労務の話題は
働き方改革でもちきりでした。

こぞって勤怠管理のソフトを
導入したり

有給休暇5日取得の義務化
長時間労働の削減

取り組んでいました。

古い調査結果ですが

エン・ジャパンの
2019年9月26日~10月28日
「エン転職」ユーザー11,405名を
対象にインターネットで実施した
結果をみると

「働き方改革に取り組んでいる」
というのは
100名までの企業規模- 27%
1,001名以上の企業規模- 65%

労働生産性や業績は
「上がった」「やや上がった」- 27%
「上がっていない」- 28%

という状態でした。
https://corp.en-japan.com/newsrelease/2019/20314.html
『エン転職』1万人アンケート(2019年11月)
「働き方改革」実態調査 より

おそらく
新型コロナウイルスが
広がる前の今年初旬でも

真の目的である
労働生産性の向上には
至っていないというのは
大方(おおかた)の
感想ではないでしょうか。

働き方改革は
労働生産性を
上げることを
目的としています。

労働生産性を上げるには
自発的な組織になる
ことです。

有給休暇5日取得の義務化
長時間労働の削減

これらは
解消しなければならない
課題ではありますが

それだけでは
働き方改革は
進みません。

“そこ” では
ないのです。

今の働き方のうえに
新しいルールだけを
載せても、

働き方改革は進みません。

働き方そのものを
変えなければなりません。

上から言われて
「変えさせられた」
「やらされた」
と思っているうちは、

自発的な組織では
ありませんし、

働き方が変わった
とは言えません。

新型コロナウイルスによる
この状況は、

これまでの経験値では
太刀打ちできないことを
日々、実感しています。

働き方改革もまた、
根強く残る

遅くまで働くこと
=がんばっている

休みを取らない
=責任感がある
等々

会社にとって、
価値観を変える
という

経験したことがない
ことへの挑戦です。

今こそ、
働き方改革です。

新型コロナウイルス後も、
働き方改革も、

自分たちで
道を切り開く

未知の世界への
挑戦です。

しっかり
心に留めて
向き合えば
前に進みます。

お読みいただき、ありがとうございました。

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