他者承認から自己承認へ

第578号

ブログで、「強制するのはよくない」
と、よく書いているのですが、
それは自分自身への自戒の意味
でもあります。

私の発言は、ひとえに
「わかってほしい」という
思いが強いからなのですが、

それは時として
「こうあるべきだ」
という決めつけになり、

相手に強制する、すなわち
「コントロール」することに
つながる可能性があります。

仲間に対して発言したことが
少々言葉が強くなって
言い切ってしまったとき、

気がついて反省した私が
「すぐ強制してしまって
だめだなぁ」と、つぶやくと

仲間のひとりが
「でもそれって良かれと思って
いってるんでしょ。
だったら、それは批判じゃないし、
押し付けではないでしょ」と
言ってくれました。

わかってくれた(承認)うれしさと
「認められたい」ではなくて
「誰かの役にたちたい思い」で
発した言葉であれば、

相手をコントロール
している、とは
必ずしも受け取られ
ないんだと、感じた
ものです。

まぁチームビルディングの
仲間だから、こちらが
決めつけるようなことを
言っても、それぞれ意見は
いろいろだと、受け止めてくれる
のかもしれません。

他人から認められたいと
思う感情を
「承認欲求」と言います。

米国の心理学者マズローは、
人間の基本的欲求を表す
「マズローの欲求5段階説」を
提唱しました。

第1段階: 生理的欲求
第2段階: 安全・安定の欲求
第3段階: 所属・愛情欲求/社会的欲求
第4段階: 承認の欲求
第5段階: 自己実現の欲求

日本語訳はいろいろありますが、
承認欲求はこの第4段階です。

この承認欲求は、
ときにマイナスの
イメージで語られる
ことがあります。

たとえば、SNS依存。
コメントに「いいね」
をもらうことを生きがい
としている、などが
承認欲求の行き過ぎた
例としてあげられます。

他者からの承認に
依存して満たされて
いる状態です。

とはいえ、
自己顕示欲のような
アピールしたい
というのとは違い、

とにかく
認められたい、のが
承認欲求です。

もちろん
マイナスばかりでなく
この承認欲求の良い作用
として

モチベーションが上がる。
というものがあります。

私も先日、思いがけず
チームビルディングの
仲間との懇親会で、
自分の価値、存在を認めて
いただく意見をたくさんもらい、
非常に満たされる思いを
体験しました。

モチベーション
上がりました。

ただ、この基準となる軸が
他者では、

相手から承認を得られないと
自己否定したり
ストレスに陥ります。

あるいは、もっと尊敬される
ようにしなければという
思いに駆られます。

プレッシャーにもなります。

この会社では
自分は認めてもらえないから
認めてもらえる会社へ転職
しよう、ということも
あり得るわけです。

この負の連鎖から
抜け出すには
承認するのを

他者から自分自身に
変えることです。

これが、マズローの5段階の
第5段階: 自己実現の欲求
にもつながっていくのですが、

「認められたい」という
他者からの承認欲求を

「役に立ちたい(その結果、認められる)」
という自己の承認欲求に
切り替えていければ

依存ということもなく、
承認欲求とバランスのよい
付き合い方ができます。

お読みいただき、ありがとうございました。

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