第517号
せっかくの人材も定着してくれなければ
意味がありません。
その理由が、辞めるとき
「賃金が低い」ことを挙げられたとしたら
どうしますか?
賃金を上げて、離職を防ぎますか。
このとき気をつけなければならないのが
同一労働、同一賃金との兼ね合いです。
社員もパートも業務の範囲、責任の範囲が
同じであるのに、賃金について差があると
これは、同一労働同一賃金に違反する
恐れがあります。
よって、今後、賃金制度の見直し時には
手当は見直されて、極力なくす方向に
いくものと思われます。
なぜ、正社員のみに支給されるのか。
これが説明できない場合は、パートにも
手当を支給しなければならない可能性が
出てくるからです。
よって、これからはシンプルな賃金体系が
求められるのだと考えます。
しかもそれは2021年3月までに
完了して置く必要があります
https://www.mhlw.go.jp/hatarakikata/same.html
賃金を上げる、ということに戻れば
やはり成長、成果につながる『基本給』
部分を上げる、ということが望ましいです。
足りないから足す、というだけでは
結局身につく賃金にはなりません。
厚生労働省の業種別賃金に比べて
自社がはるかに低いとか
同業種、同規模の会社に比べて
はるかに低いとか
福利厚生が劣る、
ということであれば
確かに「生活給」分として
単純に加算することを
むげに否定はしませんが、
社員のモチベーションアップや
定着を促したいということとは
別物だと理解してください。
あくまで、賃金水準を上げる
ことが目的になります。
その場合でも、基本給+1万円というような
加算が考えられます。
では、モチベーションアップや
定着率を上げることを目的とするなら
どういう賃金の上げ方がよいのでしょうか。
競合と労働条件面で大きな差異が
ないにも関わらず、離職する人が出ている
という場合
この場合は、将来に対する不安を
感じているわけですから、
賃金以前に「成長」を感じてもらえる
ような環境作りが必要です。
賃金が低いという場合でも、
どうすれば上がるのかわからない、
というのであれば、単に増やしても
不安を打ち消す作用にはなりません。
評価制度のあるなしにかかわらず
この会社は自分の何を評価してくれるのかを
明確にする→そしてそれを評価する
これが大事です。
金額を加算することが目的ではなく
どういう要件が整ったら、どのように
賃金が増えるのかがわかることが大事
ということです。
お読みいただき、ありがとうございました。
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