第447号
「もっと経営者感覚を持ってほしいなぁ」
というのは、経営者さんからよく聞く言葉。
そこで、会社の経営数字を社員に公開する。
というのが、いいらしいというのを聞きます。
私の周りの社長も結構、会社の数字を粗利、
営業利益あたりまでは公開しています。
それでも、「当事者意識というのを持ってほしい」
と嘆いておられます。
数字を公開しても、あまり意味がないのでしょうか?
数字を初めて公開する時って、結構勇気が
必要だったはずなのに、社員さんに
響いていないというのは、悲しいですね。
これはひとつには、会社の数字が大きすぎて
ピンとこないからかもしれません。
粗利とはどういうものか、というところの説明から
始めないと、その数字の意味がわからないのかも
しれません。
私が所属する一般社団法人キャッシュフローコーチ
協会では「お金のブロックパズル」で
会社のお金の流れを図式化します。
言葉で社員さんに伝えるのがむずかしければ、
こうして図にして伝えてみるのもひとつの方法です。
書き方はこちらです。
https://jcfca.com/media/kiziitiran/692.html
それでも、社員の方のほとんどは
「ふぅ~ん」という感じでしょう。
お金の流れはわかったけれど、
それが自分とどう結びついている
のかまでは、わかりません。
やはり自分の処遇と関係していないと、
なかなか興味を持ってもらうところまで
には至りません。
ここで本当に社員さんに開示しなければ
ならないのは、賞与原資であり、昇給原資です。
業績がどうなればこれくらいの賞与比率になります。
業績がこれくらいのときは昇給額はこれくらい。
業績が悪いときはこれくらいの昇給額。
というように、あらかじめ業績連動の処遇について
説明することです。
業績がこれくらいなら、これくらいの賞与になります。
この約束がなかなかできません。
業績が達成しなければ、それなりの金額しか出ない
と伝えていても、あらかじめ昇給、賞与を開示することを
躊躇します。
単純にあらかじめ支給額[率]を開示することに
慣れていないということもあるでしょう。
漠然とした不安があるようにも見えます。
それは、予算化することに慣れていないからかもしれません。
まずは、
これくらいの利益を残す為には、
どれくらいの売上が必要か。
売上UPだけで難しければ、
経費はどの程度に抑えればよいか。
必要な利益から逆算して、昇給原資、賞与原資を
予算化してください。
業績と連動して事業年度の最初に開示することで
社員は会社の数字に関心を持ってくれます。
お読みいただき、ありがとうございました。
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