第293号
「自分を犠牲にしてでもチームが勝てるように全力を出したいと思います」
これは、サッカーアジアカップ決勝戦前の
日本代表エース大迫選手の言葉です。
デジタル大辞泉によれば
犠牲:ある目的のために損失となることをいとわず、大切なものをささげること。
と、あります。
この意味通りに解釈すれば、犠牲という言葉は、
全体のために自分の良さを捨てる、というように取れます。
大迫選手の発言は、
どちらかというと
”身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ”
このことわざの意味のほうが
大迫選手の心情に近いかもしれません。
一身を犠牲にする覚悟で当たってこそ、窮地を脱し、物事を成就することができる。
デジタル大辞泉より
システム思考という考え方があります。
現実の複雑性を理解するために、
ものごとの繋がりや全体像を見て、
その本質について考えるというものです。
そしてこのシステムが最適化された状態が
「全体最適」です。
自分が活躍すればよい、自分が活躍すれば勝てるはず
というのは「部分最適」であり、
チームが勝つにはどう動けば一番良いのかを
考えて行動するのが全体最適です。
人事制度で社員説明するときに
伝えることのひとつに、
評価はよい結果を出せば高い評価点数をつけますが、
賃金や賞与は、会社の業績に連動します。
と、いうものです。
どんなに評価点数が高くても、
業績が悪ければ、支給額は低く、
業績が上がれば、支給額は高くなります。
ですから、自分の評価を上げるためだけでなく、
会社の業績と繋がっていることを意識して
成果を出せる行動をしましょう、と伝えています。
全体最適という考え方です。
” 全体最適と全体主義は違います。”
全体のために、とリーダーが意識するあまり、
コントロールを強化して、一部の人に犠牲を強要したり、
個性を消したり、自由をなくしてしまっては
意味が違ってきます。
「全体のために」という名のもとに
犠牲を強いることなく、全体の視点で見ることです。
評価では、一番点数が高くなるための基準として
部下(仲間)にそのやり方を教えているとしています。
組織として利益を最大化するためには、
成果を出す方法を知っている人がまだ知らない人に
教えることが全体最適だからです。
お読みいただき、ありがとうございました。
つまるところ「人と組織」
社長の想いを語りなおして
強み×8割の社員が育つ仕組み×関係性をデザインする
鈴木早苗でした。