第283号
今日は久しぶりにチームビルディング研修で、
フラフープを使ってみました。
このフープ、組み立て式なんですが、
接続部分が堅いので、輪のままで電車を乗降します。
通常はお試しの研修でも、
カードを使ったゲームをすることが
多いのですが、今回フラフープを
使って身体を動かしてみようと
思ったのは、ゲームで研修することに
疑心暗鬼であったり、
仕事で関係性が芳しくない部署
と聞いていたので、身体を使ったほうが、
全員参加が必須になるので、
消極的な態度は取れないだろうとと
判断して、選択しました。
結果、非常に盛り上がり、
ほとんどの人が声を出し、
集中していました。
ゲーム後の振り返りでは、
社長が盛り上がった様子を評して
「みんなまだまだ若い、
もっと上を目指せると思った」
と述べられました。
役員の方も
「〇〇さん、案外考えていて、
リーダーシップもあるんだ」
という感想をおっしゃいました。
この会社は、男性は40代以上で、
男女ともに30代以上の活気があるか
と言われたら、みな手慣れた仕事を
黙々とこなしている印象です。
これまでの社長、役員の方との面談では、
覇気がないとか、受け身であるという
お話をうかがっていたのですが、
ゲームでは、10分の制限時間で
ゴールにたどりつけないと延長して
やり続けましたし、難易度が上がる
新聞を輪にしてフラフープに
見立てたゲームにも引き続き挑戦していました。
疲れたという言葉も、
やる気ない態度をする人も
いませんでした。
そして上記の社長、役員の感想
になったわけです。
仕事の場では気づきにくい事実が、
ゲームという名を借りた場で、
仮想体験としてやってみると
はっきり現れます。
私達の状況認識から
行動に至るプロセスが
どのように展開するかを、
はしごのように段階を追って
示したものが『推論のはしご』です。
この言葉とは「学習する組織」入門で出会いました。
https://www.amazon.co.jp/dp/4862762107/
事実をもとにして、
①事実を“選択”する
↓
②現実に“意味づけ”する
↓
③結果を“推測”する
↓
④“結論”を出す
↓
⑤結論に基づく“信念、世界観”
↓
⑥“行動”する
この順番で、まさにはしごをのぼっていきます。
このはしごをゆっくりのぼっている間は
問題ありませんが、経験を重ねることで
バイアスかかったり、勝手な解釈をして、
いわゆる事実とは異なる「決めつけ」などの
推論上の問題につながるというものです。
はしごを一気にのぼって行くことで
「自分の解釈を前提とした行動」を
行ってしまいます。
特に、社長のみなさんは、思考が速いので
十分に思考せず行動に移す傾向があります。
ということは、決めつけや、
判断間違いが、多くなるということです。
いわゆる氷山モデルで示す
メンタルモデルに引きづられた
結論、行動にいたってしまうということですね。
メンタルモデルは、
解釈や前提に影響を与え、
現実の全体像を吟味せず、
勝手な解釈をしたり、
結論を決めつけたりすることに
つながりやすいのです。
よって、それを防ぐために、
初めてその問題にあたったときのように
“ゆっくり”考えることが大切です。
具体的には、自分の思考や行動が、
どのような経緯でその行動にいたったかを
上記①~⑥のステップごとに書き出し、
結論を急いだために生じた
誤った判断や関係者間での誤解、
結論の相違などについて話し合います。
とはいえ、スピードを落としてください
というのは、経営者には難しいかも。
そうであればスピードを落とすかわりに
はしごをのぼったり降りたりを繰り返して
誤った判断の修正や関係者間での
解の解消に努めることです。
お読みいただき、ありがとうございました。
つまるところ「人と組織」
社長の想いを語りなおして
強み×8割の社員が育つ仕組み×関係性をデザインする
鈴木早苗でした。