第272号
厚生労働省の「毎月勤労統計」の
一部調査が不適切な手法で行われていた問題
の影響がまだまだ広がっています。
毎月勤労統計
https://www.mhlw.go.jp/topics/2006/12/tp1201-1.html
目的:厚生労働省が毎月、雇用や賃金、労働時間の変動を把握するために行っている調査です。
結果(なぜやるのか):この結果は、経済指標の一つとして景気判断や、都道府県の各種政策決定に際しての指針とされるほか、雇用保険や労災保険の給付額を改定する際の資料として、また、民間企業等における給与改正や人件費の算定、人事院勧告の資料とされるなど、国民生活に深く関わっています。さらに、日本の労働事情を表す資料として海外にも紹介されており、その重要性は高いものとなっています。
今回の影響:雇用保険や労災保険の支給額に影響するものです。
育児休業や遺族年金も過少給付になってしまっています。
勤労統計は厚労省が都道府県を通じて行うもので、従業員500人以上の事業所は全数調査がルール。しかし16年からは、賃金が高い傾向にある大規模事業者が多い東京都内約1400事業所のうち3分の1だけを抽出して調べたに過ぎず、このことが全国の平均賃金額が低く算出されることにつながりました。
人は行動するとき
何のためにやるのか(目的)
なぜやるのか(理由)
これが明確でないとなかなか動けません。
そして、今回のように
間違いに気づくことができません。
組織として緩んでいたという前に
そもそもなんのための統計かという
本質が欠落してしまっていた
としか言いようがありません。
人事では2:6:2の原則と言われるように
出来る人、普通の人、できない人の割合を
2:6:2で区分できるとしています。
通常は出来る人は、
何のためにやるのか(目的)
なぜやるのか(理由)
これを説明しなくても
自分で理解して行動します。
厚生労働省では、
できる人がいないということは
ないでしょうから
組織として統計の扱いが
軽くなっているというか、
統計を出す目的が
完全に目先の目標に
とって代わられてしまっている
ということでしょう。
そしてそれに気づかないことが何より
問題の深さを感じます。
追加給付をすぐに発表しましたが、
それもなんだか、払えばいいんでしょ、
と言っているように聞こえて、
目的や理由が見失われているとしか見えません。
会社では新しい制度や仕組みを
導入するとき、社員説明会をしてから
運用開始するということまでは、
行う会社はあるでしょう。
ただ、説明会はあくまでお披露目に過ぎず、
内容を社員が理解するのは、実際に始まってからです。
運用過程でまたいろいろな疑問や
付随するルール決めなどが必要になります。
何度も、折につけ
何のためにやるのか(目的)
なぜやるのか(理由)
組織風土として定着するまで
これを伝え続けなければなりません。
伝え続けたその先に
自分で考えて行動する組織が
見えてきます。
お読みいただき、ありがとうございました。
つまるところ「人と組織」
社長の想いを語りなおして
強み×8割の社員が育つ仕組み×関係性をデザインする
鈴木早苗でした。