第238号
問題を解決するには、
一つ一つ着実に潰していく。
これ、確かに正解です。
でも解決しても解決しても
おなじことが繰り返されることがあります。
例えば、1年以内に入社した社員の
離職が止まらない、とか。
会社は定期的なランチ会や
先輩との交流の場を作ったりして、
コミュニケーションに務めましたが、
結果は退職の歯止めがかかりません。
いわゆるブラック企業ではないのですが。
こんな時の問題解決の思考として
「システム思考」があります。
これまでの解決策
「こういうときはこういう対応をする」
というお約束の対応が、利かなくなりました。
そこで、問題を
単発の”出来事”として考えずに
”パターン”としてとらえ、
そのパターンを生み出している”構造”を
理解することで、構造に働きかける
というものです。
そもそも、退職者が多いというのも
少し前なら給料が安いとか、
仕事がつらいだとか、
目に見える出来事に対しての
対処でよかったのです。
だから、初任給を上げる、
休みを増やす、という対応で
効果がありました。
答えは問題の近くに存在したのです。
それが今は問題が複雑にからみあっているため、
どこにどう働きかければ解決できるか
わかりづらくなっています。
以前にもブログで取り上げましたが、
世の中の出来事は、ルービックキューブです。
自分の目の前の1面だけを合わせても
その間に他の面がくずれ、
いつまでたっても6面そろうことはありません。
コツは、全部の面のつながりを
意識しながら合わせていくことです。
ですから、退職するのが
営業部が多いとしても、
営業部だけの課題として
解決を測ろうとしても(個別最適化)
真の課題解決にはなりません。
イメージしたいのが、氷山モデルです。
水面に見えている「出来事」に
反応しているだけでは効果がありません。
時系列パターン、そしてその下の
構造に働きかけることで
新しいパターンを生み出せるようになります。
一番下のメンタルモデルは
価値観であり、ここは自分で
気づかなければ変われないところで、
周りが働きかけることはできません。
構造が変われば、いずれは変わるというものです。
問題が起きたら、
その時系列パターン、たとえば
夏季休暇明けに退職者が多くでる
というパターンがあるなら
そこでどういう
対応をするのかを考えて[構造に切り込む]、
夏季休暇明けに退職するというパターンを
変化させることです。
目の前に見える出来事に注目して、
解決策を考えるという思考の癖ができていますが、
そもそもすぐ解決策を探すのでなく、
本当の問題は何なのか?
という正しい問いをまず確認することも必要です。
問題には、見えていない要素があること
真の問題は何なのか
見えていないものを見えるようにすることから
新しい思考の方法を見つけることができます。
お読みいただき、ありがとうございました。
つまるところ「人と組織」
社長の想いを語りなおして
強み×8割の社員が育つ仕組み×関係性をデザインする
鈴木早苗でした。