第219号
月に1回のコーチングの勉強会が昨日ありました。
今回も学びが多い3時間でした。
前回の学び[気づき]については
こちらに書きました。
仲間と1対1で互いの悩み、
お困りごとなどについて、
コーチングを交代に行う時のお題で
仲間が取り上げたのが
「最近全力を出し切れていない」
というものでした。
どう見ても、全力は出し切っています。
(この事例は、ある程度脚色したものを書いています)。
「どうしたら全力を出し切ったといえるのですか?」
とたずねると、
労働時間内で仕事が終わらない。
何より、結果(数字)が出ない。
というのです。
「じゃあ、今週の目標とかは立てているのですか?」
とたずねると、
2~3日程度、先のことは決めているけれど、
1週間単位での先のことは考えていない
ということでした。
上司から
「自分が達成したと思う目標を設定してほしい」
と指示されて、すでに月間目標を上司には
出しています。
この自分が達成したい目標というのが曲者です。
自主性にまかせるような言い方されると
ついつい数字目標を出してしまいますね。
案の定、仲間は、目標=数字と頭のかなで連動して、
数字で目標を設定しようと考えたのですが、
数字は思考を止めてしまいます。
その数字目標を達成できるかどうか
これを目標にするのでばなく、
結果を出すためにはどんな行動を
しなければならないか。
ここを設定して、それが出来るようになることが、
手順として望ましいのではないか、
と考えます。
19日の日経新聞朝刊に、
『SmartWork(スマートワーク)』特集がありました。
スマートワークとは、多様な働き方を採用し
生産性を上げ、効率的に働く働き方をいいます。
具体的には、働く場所や時間にとらわれずに
業務を行うことであり、短時間勤務とは違います。
ポイントは、効率的に働くということだと思うのですが、
イメージするのは、生産性が高いとか
残業しない働き方
などがあります。
ここで気をつけないといけないのは
効率的=無駄なことをしない
ではありません。
つまり、必要なことしかしなければ
新たなものは生まれません。
少し話がそれますが、
昨日ブログで取りあげさせていただいた
新日本プロレスの内藤哲也選手は
『プロフェッショナル 仕事の流儀』のなかで、
プロレスには“受けの美学”というのがあって、
受けの美学※とは
※相手の得意技、必殺技、危険な技でも「避けない」「逃げない」受け止めて、受け止めて、最後に返して勝つというもの
内藤選手は
「勝ち負けで考えれば、あんなことまったくやる必要ないですからね。
その無駄な部分がプロレスの魅力なんです」
と言っています。
この無駄な部分があってこそ、
確かに会場はひとつになるし、
盛り上がるのです。
話をもとに戻すと
無駄は無駄ではないということ。
効率ばかり考えて、みながひとつの方向を向いて
いるだけでは、同じ思考パターンになって、
” 新しいアイデア、イノベーション[技術革新]”
は生まれません。
では、効率を求めるのが間違いか
というとそうではありません。
過ぎたるは及ばざるが如し。です。
多様な働き方を採用し生産性を上げ、
効率的に働く働き方によって、
実現したいことは何かというと、
イノベーションや新しいことを生み出す
職場づくりです。
そこをわかっているといないとでは
大きな差があります。
冒頭の全力を出し切れていないと悩んでいた仲間は、
全力を出し切って何を成し遂げたいのか、
を、再定義することだと気づいたことで、
どうやら何をやっても満足できない状況から
脱せそうです。
効率と無駄
この塩梅が難しいですが、
働き方改革にしても、
ここのさじ加減が明暗を分ける
のだと思います。
お読みいただき、ありがとうございました。
つまるところ「人と組織」
社長の想いを語りなおして
強み×8割の社員が育つ仕組み×関係性をデザインする
鈴木早苗でした。