第211号
厚生労働省は6日に開いた労働政策審議会
(厚労相の諮問機関)の分科会で、
職場のパワーハラスメント(パワハラ)の対策として、
企業に防止措置を義務付ける法整備をあげています。
パワハラには、企業に法的な防止義務が課せられていません。
同じハラスメントでも、
セクシュアルハラスメント(セクハラ)は男女雇用機会均等法
マタニティーハラスメント(マタハラ)は育児・介護休業法などで
企業に防止措置を定めています。
企業は相談窓口設置なども求められています。
労働政策審議会の経営側の委員は
パワハラと業務上の指導の線引きが困難だとして、
いきなり法による措置義務を課すことには慎重ですが、
すでに社会問題化している事態を踏まえ、
厚生労働省では、パワハラも法律による防止措置を
義務付ける方向で検討しています。
来年中に関連法案の国会提出をめざしているようです。
これを受けて、ハラスメントに差をつけるのはおかしいと、
仲間のプロコーチ(コーチング)が言っていました。
それはホントにその通りです。
パワハラ問題は企業の大きな問題です。
法案提出をしぶる経営側も
上場企業では規程を整備して
一定水準の対応をしています。
手をこまねいていては始まりません。
パワハラはどうして起こるのでしょうか。
その前にパワハラの定義とは
職場のパワーハラスメントとは、同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内での優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為をいいます。
これまでの裁判例の分析などから
パワハラは6つの類型が示されています。
身体的侵害 - 暴行・傷害
精神的侵害 - 脅迫、名誉棄損、侮辱、ひどい暴言
人間関係からの切り離し - 無視、隔離、仲間はずれ
過大な要求 - 業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害
過小な要求 - 業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと
個の侵害 - 私的なことに過度に立ち入ること
経営側がパワハラと業務上の指導の線引きが困難だ。
とするのは、“ 業務の適正な範囲を超えて ” の部分の
判断の難しさです。
いわゆるグレ-ゾーンとされるところで、
これが上司を委縮させてしまい、
部下への適切な指導ができない状態に
追い込んでいる場合もみられます。
座学でパワハラとはどういうものか、
何をやってはいけないのか、
という教育を受けたり、
ルールを決めたり、
周知しても
パワハラがなくなるものではありません。
言動に気をつけて、
組織が縮こまってしまっては、
元も子もありません。
ハラスメントはパワハラに限らず初動が大事です。
こじらせる前に、そもそも何をすべきなのでしょうか。
通常、職場で起こるパワハラの最初っていうのは、
「どうしてわからないんだ」
「どうして出来ないんだ」
という、
人と人は違う
わかりあえなくて当然
という“そもそもの”前提条件が
わかっていないことによる行き違いです。
自分が正しいと思うものがすべてであり、
それがわからないほうがおかしい
という考えは、もはや許容されないということです。
チームビルディングは
人と人が違うという前提で組織作りを始めます。
取り組むべきことは
“人と人は違う“
そして、だからこそ
相手が何を思っているのか
ここに『配慮』して、
コミュニケーションをする
このことに気づける
組織を作っていくことです。
規程を作るだけでは、取り組みとして不十分です。
お読みいただき、ありがとうございました。
つまるところ「人と組織」
社長の想いを語りなおして
強み×8割の社員が育つ仕組み×関係性をデザインする
鈴木早苗でした。