第164号
2013年から「派遣元講習」の講師をしています。
と言っても、厚生労働省で決められたカリキュラム
のなかの1コマ「労働基準法等の適用に関する特例等について」
このテーマについて、1時間だけ担当しています。
今日もいつもの銀座の会議室で1時間話してきました。
ある日私のホームページを見て、研修会社を
立ち上げた成田さんが、事務所にお越しになりました。
派遣元講習を始めるにあたり、
講師として力を貸してくれませんか?というもの。
そこからお付き合いが始まりました。
厚生労働省の役人として定年を迎える成田さんが
お知り合いとふたりで立ち上げたものです。
株式会社アイ・シー研修センター
https://isee-training.com/
成田さんは、自ら派遣元講習の講師として、
おそらく70歳近くなった今も
9:30~16:50まで、私が登壇する1時間をのぞいて、
一人で講師として全国で研修されています。
地方では立ち上げ当初から、受講者は集まったのですが、
東京は、大手に押されて、最初は人が集まらず、
毎月開催の予定が、年に4~5回にとどまりました。
それが、いつのころからか、毎月開催です。
人数もコンスタントに増えています。
なにか広告を出すとか、
マーケティングはやっておられません。
まさにやり続けた者勝ち。
愚直な実践の賜物です。
私は自分が登壇する少し前に
会場に入るだけなので、
研修風景をよく知っているわけではないですが、
テキストの文言を追うだけの授業でなく、
質問は随時受けつける、受講生に寄り添った
研修のようです。
これが、口コミで紹介につながっているようです。
私が5年、講師を務めるメリットは?
本来なら、この会社とJVとして新たなテーマで
研修して顧客開拓をするとか
せめて受講生と名刺交換して見込み客を増やすとか
厚生労働省の委託を受けている機関として、
研修の場で、たとえば私のセミナー案内を
机に資料のひとつとして配ることも禁止されています。
ですから、
人前で話すことの練習になる、
というのが最大のメリットでしょうか。
効率とかを考えれば、無駄な時間かもしれません。
毎月登壇する今であれば、顧問契約と同様に
考えられるかもしれませんが、生産性としては
高くないです。
引き受けた当初は、アルバイトのようなつもりで、
忙しくなったら辞めようという程度のものでした。
それが、今は体調がどうにも続かなくなったら
辞めようというふうにかわってきました。
自分より年上の方が、がんばって研修されている姿を見ると、
何かお役にたてるなら、というふうに思うようになりました。
自分の時間単価にこだわることも大事だけれど、
それだけでは続かない、というのも実感しました。
会社のホームページで社長が、
「国が推し進めている労働安全衛生法関係の講習や研修を開催することにより労働災害撲滅の一端を担うことができるのではないかと。
そして、その思いを実現するために、これらの講習・研修の開催等を事業内容とする会社の設立に参画し、このたび、代表取締役に就任いたしました。
勤労者の方々が安心して働くことができる職場づくりのために採算を度外視してお役に立ちたい、との初心をいつまでも忘れることなく、これを生涯の仕事として精一杯頑張ってまいります」
と言っておられます。
社長も当然私より年長で、
そんなおふたりが
“ 生涯の仕事として精一杯頑張ってまいります ”
と言われたら、こちらも頑張るしかありません。
生涯という言葉の重みが違います。
東京は私ですが、同じように、全国で講習を開催する際
この研修で登壇している専門家がいます。
立ち上げ当時に成田さんからくどかれた
ほぼ同じメンバーで継続しています。
あたりまえですが、
覚悟を決めて行動している人のまわりに
人が集まります。
その使命感を意気に感じて。
効率より、人は満足感を優先します。
なぜ、1時間話すために毎月その会場に行くのか。
目的って大事です。
この研修会社のホームページを開くと、
来年3月まですでにスケジュールが出ていました。
来月からは、派遣元講習ですが、
派遣先も一部同席してもらう形態を取るそうです。
少し話しの組み立てを変えなければならなさそうです。
来月も体調を整えて、頑張りたいと思います。
お読みいただき、ありがとうございました。
つまるところ「人と組織」
社長の想いを語りなおして
強み×8割の社員が育つ仕組み×関係性をデザインする
鈴木早苗でした。