生産性向上と効率化

第163号

顧問先の社長と、
年次有給休暇を5日取得しなければならないこと
(2019.4月施行)について話しているとき、

「日本人は働き過ぎているので、
強制的に休ませないといけないんでしょうねぇ」
と私が言うと

「ホントに日本人は働きすぎでしょうか?」
という答えが社長から返ってきました。

 

彼女は外資系で働いていたので、
欧米の ” やるときはやる ”
働き方のすごさを知っています。

それと比較して、
ホントに日本人は働き過ぎなんだろうかと
思ったようです。

 

ちなみに、この会社は
年間休日130日、多いときでも残業15時間程度です。
決して長時間働くことを推奨している社長ではありません。

働き過ぎと言う時、
なぜか時間の長さだけを取り上げ、
付加価値については触れてきませんでした。

顧問先の社長は、
働くことと付加価値は一対なので、
付加価値を生み出していない
長時間労働を指して、
「働き過ぎとは思えない」と思ったようです。

社長の指摘は正しく、

2017年世界の労働時間 国別ランキング・推移(OECD)によると、

1位のメキシコの2257時間/年 に比べて
22位の日本は1710時間/年
15位のアメリカは1780時間/年

となっていて、

日本人は働き過ぎでは、ない?

ただこの統計は、正社員だけでなく、
すべての労働者を対象としています。

諸外国では正社員という概念がないので
全就業者での比較となると、
若干パートタイマーの労働時間数の短さが
統計数字に影響してるかな、とも思われます。

労働時間が増えても減っても、
日本の生産性の低さは変わっていません。
これが一番の課題です。

長時間労働の削減をしたいと思えば、
長時間労働削減の取り組みをしては、
成るものも成りません。

長時間労働の削減をしたければ、
付加価値のアップを考えることが
真の働き方改革に近いのだと考えます。

そこをはっきり認識しないと、
長時間労働削減は、売上の減少ととらえる
経営者さんの思考を変えることはできません。

Web辞書では、

効率:費やした労力に対する仕事のはかどりぐあい。仕事の能率。
生産性:資源から付加価値を産み出す際の効率の程度
計算式にすると、効率÷付加価値

効率と生産性は同義語ではありません。

付加価値をあげようとすると、効率が下がることもありそうです。

ここでポイントになるのが、コミュニケーションです。

コミュニケーションは、
お互いを尊重する意識であり、
生産性を上げるポイントです。

 

だから、効率を追いかけるあまり、
コミュニケーションまで減らしては、
元も子もありません。

 

普通では、相反する付加価値と効率

どうすればこれらを生産性向上にもっていけるのでしょうか。

つまるところは、
「なんのために業務の効率を上げるのか」

ここを社員の皆さんと考えて、

あるいは社長が伝えて、

明確にすることで、

社員はモチベーションを保ちながら
効率化に取り組めます。


効率を上げる目的、
その後どうしたいのかを明確にしたうえで、

コミュニケーションを取りながら取り組むことで
行き過ぎた効率化を防ぎ、
生産性向上につながっていきます。

 

お読みいただき、ありがとうございました。

つまるところ「人と組織」
社長の想いを語りなおして
強み×8割の社員が育つ仕組み×関係性をデザインする
鈴木早苗でした。

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