第097号
こんなに毎日
「命に関わることもある危険な暑さ」という表現を
NHKのニュースで聞くとは思ってもみませんでした。
これは尋常ならざる状況ではないのでしょうか。
それでも、熱中症で倒れる方は後を絶ちません。
お仕事等しょうがない方も勿論おられますが、
人は、なかなか自分ごととしてイメージできません。
朝日新聞が炎天下での部活を止める勇気を
持たなければならないという主旨の記事を
出したところ、朝日新聞が主催する
夏の甲子園はどうなんだ、という疑問の声が
ネット上で上がって、話題になりました。
記事を書いた方は自分の頭のイメージの中で、
ふたつのことが、つながっていなかったのかもしれません。
ニュースはもちろん、
人はなかなか周りでおこっている
“ことがら”だけの情報では、
『自分ごと』として考えることができません。
私は、以前ビル管理会社で
管理人さんを管理する職のとき、
打合せの中で、
「もう歳なのでやめたほうが
いいんじゃないかと思うのですが」
と言われたとき
「それは辞めたいということですか」と
聞き返したことがあります。
その時は、もう少しがんばりましょう。
という結論で終わったつもりでしたが、
その後、上司に呼ばれてこう言われました。
「〇〇さんに、辞めたほうがいいんじゃない、なんて言った?」
びっくりして否定しましたが、
この行き違いの原因として思い当たることは
「それは辞めたいということですか」と
聞き返したことだけです。
管理人さんから見れば、
私は組織では上司にあたるわけですから、
私の一言を、相手がどうとらえるのか、
注意するべきでした。
立場が違うと言葉の受け取り方も違うこと
相手の想いにどれだけ寄り添えるか
自分ごととしてとらえられるかが大事なことを
思い知らされた経験です。
私は「それは辞めたいということですか」と
相手の言葉を言い換えることで意図を確認するのでなく、
「もう歳なのでやめたほうが
いいんじゃないかと思うのですが。。。」と言われた時
「どうしてそう思うのですか」と
更に聞き返すことのほうがよかったと
今は反省しています。
管理人さんの言葉の“前後の意図”を
こちらが聞き出すことが先決でした。
こちらが伝える側の場合
今、心がけていることは、
自分で自分の言ったことを
最低でも2通りに言い方を変えて
あるいは
繰り返して伝えるようにしています。
こちらは2度同じことを言ってるようなつもりでも、
2度目の説明で、
「あぁそういうことですね、今わかりました」
ということがあったりします。
きっと、
相手が1度目のときは聞く姿勢になっていなかった
少し言い方を変えることだけでも、相手によって
伝わり方が違う
ということですね。
言い方を変えて伝えると”伝わる”というのは
ブログでも何度か取り上げてきた
人それぞれの思考の特性(効き脳)が
大きな要因です。
人と他人(ヒト)は違う、ということです。
「分かっているだろう」
「くどくど言うとかえってポイントが伝わらない」
と、上司はついつい思いがちです。
確かに、
「私は何をすればよいのでしょうか」と
部下は言うかもしれません
その結果
“要点だけを伝える”
ということになってしまってはいないでしょうか。
要点だけを伝えるというのは、
『言われたことだけをやる』という仕事のスタイル
になってしまっていることでもあります。
要点だけを聞かされているのですから、
自分がした行動の前後については、
想像するということは、普通しません。
それで、自分で考えて動いてほしいと
上司が思うのは無理があります。
要点だけを伝えていると、
“その指示だけをしてしまう”
という事が起こるのです。
たとえば、“指示命令は簡潔に”
これは伝えたい要点部分のことを指し
説明も含めた全体としては、
“伝わるように”
を、心がけましょう。
伝わりやすくするために、
『伝えたい要点の前後』を説明することです。
自分がわかっているので
ついつい説明を省いてしまっていませんか。
お読みいただき、ありがとうございました。
つまるところ「人と組織」
社長の想いを語りなおして
強み×8割の社員が育つ仕組み×関係性をデザインする
鈴木早苗でした。