第1053号
「来期の人事支援計画について、どういう
ことがしたいか考えておいてください」
年末こうお伝えしていて、今年最初の
打ち合わせで、出てきた言葉が、
「来期の目標は部下の●●君に伝えて
考えるように言ってたんですが、、、」
どうやら、人事の案がまとまっていない
ようです。
会社の人材教育の目的はちゃんと
伝えているんですが、と困惑気味の
部長。
どうして、部下の方は計画がたてられ
なかったのでしょうか。
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上司の方を私が見てきたパターンだと
・目的は伝えず、こういうことをやりなさい、
やるべき行動レベルの指示を出す方
・何のためにやるのか伝えて、やり方は
自分で考えてやってみて、という方
今は、自分で考えて動けるようになる
ために、仕事は少しずつ任せていくのが
よい、と言われています。
確かにやってみないとわからないので、
仕事を任せてみるのは有効です。
冒頭の部長も、その通りに任せたつもり
だったのですが、上手くいきませんでした。
部長に限らず、経営者の方にも感じるの
ですが、
やり方を教えたり、考えたりするのは
部下の役割で、自分の仕事ではないと、
線引きしている傾向を感じます。
上司が考えると、
結局言われたことをそのまま部下が行動
することになるからだと、
考えているのだろうと思います。
人材育成の考え方としては、確かに
間違ってはいません。
ここで難しいのが、スポーツでも
育てながら勝つ、というのがあるように
会社においても、育てながら事業目標を
達成することは必須だと思います。
評価シートにも育成と成果の両方の項目を
掲げているように、どちらか一方だけで
よい、という会社はほぼ無いと思います。
ウエートで差をつけて比重の違いを表現
することはあっても、
今年は目標達成より人材育成中心でいく、
と宣言している会社は、
中小企業ではほぼ無い、と言ってもよいと
思います。
むしろ、育成より目標達成の比重が高く
なって当然、と答える経営者の方も多い
でしょう。
では、目標達成するためのやるべき行動
を指示する方向に振り切るのがよいでし
ょうか。
ポイントは、
細かく指示するか、任せるかの
二者択一ではない、ということです。
『一緒に考える』という選択肢があります。
上司が考えに加わると、
結局言われたことをそのまま部下が行動
することと同じ結果になる。
ではなくて、
上司も部下と”一緒に”考えて、です。
部下に仕事を任せるとき、目的を伝えれ
ば、動けるはず、というのは正しくは
ありません。
イメージできれば、動けますが、
できなければ、身動きできません。
そもそも仕事を任せるのは
「やりながら」学んでもらうためです。
では、初めてのときに、
目的だけ伝えて「支援計画を考えてみて」
と言われて、作れるかと言えば、難しい
と思います。
何度かお伝えしているように
「わからなかったら聞いてね」
では、遅いのです。
イメージできていないなかで、
わからないも何も、
とにかく“わからない”(お手上げ)
なのですから。
最初のとっかかりがわからない
から、何を聞けばよいのかも
わかりません。
少なくとも、どういう成果物が
できればよいのかイメージを
最初に上司と部下で共有しておく
ことが必要です。
たとえ、いつも一緒に会議に
出ていても、です。
最初から全部任せた、
やりたいように考えてみて、
っていうのは、丸投げに
なります。
どうやって目的を達成するために、
どんな教育の支援計画をたてれば
よいのか
一緒に試行錯誤することが大切です。
上司が誘導したやり方になってしまう
のではないか、という心配は無用です。
今の時代は複雑で、上司の経験が
そのまま活かせるというのは少ない
と思うので、
きっと一緒に真剣に悩めると思います。
お読みいただきありがとうございました。
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