どうして相対評価ではなく絶対評価なんですか

第1047号

賞与の支給の決め方は絶対評価ですか?
相対評価ですか?

年に1度、この時期になると
私がこのことを考えるのは

12月にお笑いの賞レースが2つ
あって、女芸人日本一を決める
The Wは相対評価

M-1は絶対評価(実は相対評価)

翌日の荒れるネットを見るにつけ、
評価の難しさを実感するからです。

評価制度は相対評価と絶対評価の
どちらが良いと思いますか?と
問われれば、
私は「絶対評価」と答えます。

それは絶対評価が『公平』だから
ということではなく、

成長度合いを測るものさしを持つ
ことで、『納得性』を高めることが
できるからです。
————————————————–

絶対評価:設定された教育目標に
対し、個人がどれだけ達成したかを
評価する方法
[デジタル大辞典より]

相対評価:1)なにかと比べてその優劣を批評すること
2)ある一定の集団内での個人の学力の相対的地位をあらわす評価方式
[精選版 日本国語大辞典より]

一般的に言えば、
絶対評価は評価シートの点数が
同じなら、評価は同じです。

相対評価は点数が同じ人が複数
いても、そのなかで優劣をつける
というものです。

管理職が、研修で、どんなに着眼点
を合わせたり、自分の視点を変えよ
うとしても、
もともと人と人は違うものです。

そして、それこそが、それぞれの
強み(個性)です。

価値観を揃えようとすることには、
無理があります。

評価に公平さを求めるのではなく
納得してもらうために、信頼を
得ることを目指すことだと思い
ます。

「どうして〇〇さんより私のほう
が評価が低いんですか?」
という質問が出ないようにしたい、
とか

あるいは、そう聞かれたときに
しっかり説明できるようになりたい

という要望は評価制度を作ろうと
思う多くの会社が思っておられます。

実は、誰かと比較する、
こういった質問は、
絶対評価であっても社員から出て
くるものです。

これは不公平云々よりも

「評価の内容が納得いかない
納得させてほしい」ということ
なんだと思います。

M-1のように
審査基準は「おもしろい漫才」
というだけでも

この人がつけた点数だから
という納得が生まれるのとは
わけが違います。

では、納得してもらうために、
評価項目を細かく決めて
何を評価するのかを明確にする
というやり方は、

もちろん必要だと思いますが、

どうしたら、40点の社員が
60点になるのか、

あるいは、

60点の社員が80点になるには
どうすればよいのか

これらがわかっていることが、
より評価の納得性を上げていく
ものだと思います。

評価制度における絶対評価とは、
社員の成長によって評価を決める
ということだと言えます。

くらべるのは「過去の自分」です。

経営者は誰もが社員の成長を望む
とおっしゃいます。

それは、誰もが80点以上取れる
可能性(やり方)を示すことです。

そして、40点の人が50点に
10点上がることを評価して
承認することができることだと
思います。

そうすれば、
賞与金額の違いは、
相対評価で言われるような
「差をつけている」と社員が受け
取る感覚とは異なり

成長度合いを測るものとして、
信頼を得ることができます。

すべての社員が自分のペース、
やり方で成長した結果、
会社の業績が良くなることを
目指すのが評価制度です。

その成長度合いを測るために
絶対評価が必要だとお伝えし
ています。

お読みいただきありがとうございました。
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