新しい終身雇用

第1046号

先日、シニア用の評価制度って作れますか?

という質問をいただきました。

結論から言えば、作れます。
何より、これからも第一線で仕事を
継続してもらう方向であれば、ミドル
もシニアも同様の仕組みで作れば
よいとお答えしました。

会社の成果を出すためにシニアを
どのように活用するのか、と考え
るのであれば、

そのポイントは、
同じチームのメンバーとして
「活かしあう」ことだと思います。


————————————————

シニアにも戦力として働いてもらう
のであれば、評価の仕組みは他の
年齢層と同様です。

これまでは、シニア層には若手へ
経験等を伝承する役割というのが
よく言われていたかと思いますが、

もちろんそれも必要な業種、
会社はあるとしても、

労働力人口の減少と、
働く年齢が伸びていることを
考え合わせると、

これまで通り、第一線で仕事を
継続してもらう、という考え方
の会社が増えてくると思います。

よって、基本的には現役世代と
分けた特別扱いはしません。

『終身雇用』とは、——————————–
社員を採用したら定年退職まで継続
して雇用すること
——————————————————-

「同一の会社で」という点を
除けば、

現在の法律では、65歳まで継続して
雇用を確保する義務があり、

それ以降も本人が希望して会社が
認めればそれ以上の年齢でも働き
続けることができます。

70歳以上まで働ける制度のある企業
割合は4割を超えているという現状
からも

終ったと言われる終身雇用の
マイナス部分は改善して、

形を変えた、いわゆる新しい意味
あいの終身雇用(働き続ける)の
仕組みが必要なのではないかと
思っています。

改善することとしては

・年齢給、勤続給を廃止して、若手の処遇を改善する。
・シニアになっても主体的に動ける場づくり(一定の裁量を与える) 

などが挙げられます。

何より、シニアも若手も互いに
一緒にやっていこうという
関係性を築くことが肝心ですが

そのためには、シニアを
組織の中でどのように活かすか、
ということです。

そもそも、活かすというのは、
ひとりではできません。

周りの人との関係性のなかで、
人の能力は活かされるものです。

ですから、「活かす」というより
シニアと若手を「活かしあう」
ことを考えることだと思います。

チームビルディングでは
誰かと誰かを比較して優劣
つけるのでなく

強みを活かしあう、
ひとりひとりが主役
という考え方をします。

強みを活かし、弱みを補完しあう
ために、必要なことに「対話」が
あります。

シニアには、”誰でもいい“
という仕事を付与しない、
仕事を任せる、ということが、
大切です。

あなただから、
その〇〇という強みや〇〇という
経験値あるいは能力が最適だと
思うので、この仕事を頼みたい。

という仕事を「切り出して」
「マッチング」できるかどうか
です。

よって、誰にどんな仕事をして
もらうのか、

それを見極めるための日常の
シニアの仕事ぶりの観察と
定期的な対話が大切だと思います。

そしてもうひとつ、「対話」に
ついては、

そもそも人はそれぞれ
考えていることが違います。

シニアも若手も活かしあうため
には、お互いがどんな「役割」と
「責任」を果たせばよいのかを、
しっかり話し合うことが大切です。

対話のなかから同じチームとして
共通の目指す目標や目的の
イメージを共有できるようになって
いきます。

こうした対話ができる場づくりを、
意識的につくるのが上司や会社
の役割になります。

当たり前かもしれませんが、
対話がある部署はシニアと若手が
うまく活かしあって共存している
と言えます。

シニアに評価制度って作れますか、
と質問された経営者の方は、

人によって、仕事の質に
ばらつきがある状況を
そのままにしたままで、
シニアを活かすのは難しい
と考えて、

評価でまずは明確にしたい、
というものでした。

確かにシニア層、と、ひとくくり
にはできないものですが

その悩みはシニア層に限った
ことではありません。

人事評価制度を作るなら
年齢に関係なく

全ての社員の成長のための
評価の確認ができる、

社員が成長できる人事評価
制度を作ることだと思います。

お読みいただきありがとうございました。
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