一貫性と信頼

第1045号

12月2日から、健康保険証の新たな発行が
なくなり、
いよいよマイナ保険証の本格的な運用が
始まった。とニュース等では言われて
います。

そこであらためて浮き彫りになっている
のが、その利用率の低さです。

使うメリットの周知が広がっていないと
いう見解もありますが、なにより、当初
からの不安や懸念が払拭できていない
ことが大きな要因です。

残念ながら、この制度自体が信頼されて
いないということだとも言えます。

信頼を築けないのは、国の方針に
一貫性がないように見えるからです。

人は行動や発言が一貫しているものは
評価し、信頼するものです。
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マイナンバーカードの取得は“任意”
というところが始まりだったはず
なのですが

義務のように強制力の行使(のように
見える)が、性急に進められ、

不安や懸念を払しょくできない
まま進んでいることが、利用率15%
という現状につながっているように
思います。

マイナンバー導入当時、

マイナンバーカードはむやみに
持ち歩かない。

人に見せてはいけない。

と言われていたはずなのに、
いつの間にか携帯すること
ありきで、

持ち歩いて大丈夫なのか?

こういった素朴な疑問に、しっかり
補足説明されないまま

最近は、

マイナ保険証にしなくても
資格確認書で受診できる。

マイナ保険証の利用登録を
解除する方法もwebにアップ
されています。

いわゆる “切り取られた情報”
だけが独り歩きしているとも
言えますが、

急に方針が変わった、

言っていることが違う、

と思う人がいてもおかしく
ありません。

行動経済学の『損失回避』
=================
よほど大きなプラス面が
ない限り、マイナスを恐れて
選択できない
==================

これを持ち出すまでもなく
不安が払しょくされない間は
人はメリットに目は向きません。

話に一貫性があるから、
信頼が生まれ、
仕組みが機能する。
のだと思います。

中小企業でも社員に自分で
考えて行動してもらうために、
その判断基準となるようにと、
ビジョンを掲げる会社が増えま
した。

経営者としてはこれで会社が
良くなると、
期待をもって発表したのですが、
なかなか社内で浸透、定着しま
せん。

せっかく良いものを作ったのに、
どうして伝わらないのだろうと
悩まれます。

ビジョンやミッション、
それ自体は「仕組み」でしか
ありません。

経営者の発する、その言葉
だけに注目すれば、

あれがやりたい、
これもやりたい

まるで一貫性がないように
見えたり、朝令暮改と思えても、

ビジョンやミッションと
つながっているとわかって
聞けば、

そして、つながっていると
実感することができれば、

その言葉の真意を信頼できる、
というものです。

そのためには、常に社員の視点
から見て、一貫性があるかどう
かを意識することが大切です。

言っていることがつながって
いる、

一貫性があると実感してもらう
ためには、

「今年はこういう目標だから、
こういうことをしたらいいんじゃ
ないか」

「あのようなことに取り組めば、
きっとビジョンに近づくんじゃ
ないか」等

ビジョンと結びつけて
コミュニケーションとりながら
しっかり話して伝えることです。

そうすれば、
「こういうこと」
「あのようなこと」と
経営者が言っていることが

それだけを見れば
一見反対方向を向いていても

ビジョンとつながって
いるんだ、一貫性があるんだ
と、徐々に実感できる日が来る
ものだと思います。

誰しも、自分の仕事に一生懸命
になればなるほど、

目の前の仕事に集中して、

その結果、視野は狭くなりがち
です。

そうなると、
例えば、

「いつまでにこれをやること」
が “ 仕事のすべて ” で、

何のために、という目的を考え
ることを忘れがちです。

だからこそ、説明するときは
目的とつなげて説明する必要
があります。

つなげて説明することで
具体的事例として認知され
ビジョンは社員の間で広がって
浸透、定着していきます。

これは、
経営者に限らず、
ビジョンに限らず、です。

人を引っ張っていくリーダーで
あれば、なおさら、
一貫性が伝わるような話し方で

まずは、信頼を高めていって
いただきたいと思います。

お読みいただきありがとうございました。
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