第1044号
WBSCプレミア12は
台湾が日本に勝ち初優勝。
日本の国際大会の連勝は27で
ストップしました。
若い選手が多く、選手を育成
しながら勝つというのは難しい
ものです。
とはいえ、チームとして
勝ちにこだわりながらも、
勝てなかったというのなら、
優勝という目標の先の目的や
ビジョンが共有されていなかった、
ということも理由のひとつでは
ないかと思っています。
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そもそもWBSCプレミア12は
大谷選手やダルビッシュ選手が
出場したWBCとは主催も出場国数
も開催時期も違う、別ものです。
プレミア12の大会自体の趣旨は
ハイレベルな試合を観てもらい
野球を広めることです。
これらを国際試合としてひとくくりに
して、テレビ局も振り返り映像を
何度も流していました。
その結果、優勝した台湾との勝利
への温度差があった、などという
精神論のようなことまででてきて
いました。
勝たなくてもよい、というわけ
ではありませんが、
WBCのときの栗山監督が
「監督の仕事は勝つことが正義」
といって勝ちに振り切っていたのと、
この大会の井端監督のスタンス
は、少し違ったように思います。
シーズンが終わった直後で疲労
が残っている11月開催のプレミア
12は、
コンディションの関係もあって
辞退者も多く、
もともと井端監督も言っていた
ように、若手の経験と育成の場
という位置づけが大きかったように
思います。
ですから、大会終了後、
監督が
「選手は非常によくやってくれた。
大会を通じて精神的にも肉体的にも
強くなった」
というのも正直な気持ちだと思います。
優勝できなかったことも含めて
日本として収穫が多い大会
だったのだろうと思います。
とはいえ、
WBCと違い、大会使用球は
日本製、
日本の試合はテレビ中継の関係で
慣れたナイトゲームという
大会運営に協力している
日本への有利な運営のなか、
これまで国際大会27連勝してきた
日本が、決勝で負けるわけには
いかないという状況が、できあ
がっていたのも事実です。
決勝戦は、勝たなければならない
状況だったわけですが、
勝つことが目的になっては
勝てないものです。
目標の先には必ず目的が
あります。
そしてその横にはビジョンが
あります。
ビジョンは、
目標や目的を達成するための
イメージです。
達成できるイメージがあるから
目標は達成できるというものです。
言い方をかえれば
イメージできないことは
“できない”とも言えます。
勝つことの先の目的やビジョン
の共有が、全員のなかで、
できていなかった、ということが
今大会では言えるのではないかと
素人ながら、思いました。
井端監督は大会が始まる前の
インタビューで
「世界一になることはもちろん
目標ですが、
就任した時からいわれていた
“日本の野球が世界のトップで
あり続けるために”
ということがあります」
と答えています。
この発言から、
仮に設定するなら、
世界一が『目標』だとすれば
その先の『目的』は
WBCや2028年のロサンゼルス
オリンピックで勝利すること。
『ビジョン』は、
日本の野球が世界のトップで
あり続けている
という映像(イメージ)、
というふうに、分けてみる
ことができます。
もっとも、
日本にとってこの大会の
位置づけが明確でなければ、
評価も分析もできませんが、
きっと、本当のところは、
もう少し長い時間軸で、
監督はじめ首脳陣はこの大会を
捉えていたようにも思います。
仕事に置き替えても
やはり、目標の先には必ず
目的があって、そこには達成
したときのイメージである
ビジョンがあります。
たとえば、
目的がリピート客を増やす
ことなら
客単価を上げることが
行動目標になるでしょうし
新規顧客を増やすことなら
客数を増やすことが行動目標に
なります。
両方ともに、“売上を増やす”
ことには違いありませんが、
目的は何なのか、によって
何を増やせばよいのかが
より明確で具体的になって、
目標達成に近づきます。
目標は目的の手段、とも
言えます。
やることを考えるとき、
常に「何のために」と考える
ことで、判断のズレが防げます。
そのために、まずは
共感されるビジョンを掲げ
それを本気で言い続けること
ですが、
それは、組織の指揮官の大切な
役割だと思います。
お読みいただきありがとうございました。
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