第1029号
全都道府県の最低賃金が発表されました。
早い都道府県では、10月1日から有効と
なります。
引上げ額は50円から最大84円(徳島)。
昨年は1000円台が8都道府県だったのが
今年は14都道府県に増えています。
すでに国は、2030年半ばまでに
全国加重平均賃金を1,500円にすると
いう目標も明らかにしています。
1500円ということは、月の所定労働時間
を170時間とするなら255,000円になります。
つまり、高卒初任給がこの程度となれば
大卒初任給は30万円へという時代が
もうそこまできているということになります。
自社の賃金制度 (制度がなくても) を
検証する良い機会ではないかと思います。
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今年発表された国の方針は
「成長型の新たな経済ステージへの移行」
とあり、
その中の重要項目として、
「賃上げの定着と戦略的な投資による
所得と生産性の向上」 を位置づけています。
これから先、首相が変わろうとも、
毎年40円以上、最低賃金は上がり続け
るということだと思います。
2023年の最低賃金の全国加重平均賃金1,004円で
月の所定労働時間170時間の場合
1,004円×170=170,680円
2023年の高卒初任給は186,000円
大卒初任給は、プラス5万円程度で
237,000円でしたから
最低賃金1,500円となれば、
大卒初任給30万円が、大企業
だけでなく、当たり前となって いても
おかしくありません。
東京商工リサーチの調査によると
https://www.tsr-net.co.jp/data/detail/1198859_1527.html
現在の時給が、2024年の最低賃金額を
下回っている企業が5,506社調べ中1,061社(19.2%)
あります。
この調査結果からも、初任給30万円を10年後に
控えて、下回らないために、どういう戦略を
取るのか考えることは、急務だと思います。
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10月25日の人事評価制度の作り方』セミナー
では、評価についてお話するとともに
賃金制度の視点からも、初任給30万円
についても時間を割いて、戦略と戦術に
ついてお話したいと思っています。
https://www.suzukey-stone.com/service/seminer/
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終身雇用がくずれ、
転職が一般化し、
いかに人材の離職を防ぐか
いかに人材を確保(採用)するか
ということから、
賃上げは人材難とセットで語られて
きました。
よって、物価上昇はきっかけとして、
賃上げ自体は
来るべくして来た、
と言えるかと思います。
では賃上げ自体が避けられない
なら、自社としてどう対応するか
を考えなければなりません。
そのポイントとして考えられる
ことは、
「対象者」と「賃上げ水準」です。
そして、やり方として
定期昇給なのか
ベースアップなのか
所定内給与といわれるもののなかの
何を上昇させていくのか
ということも検討材料です。
まず最初に考えたい
対象者と賃上げ水準について
お伝えすると
「対象者」という分け方について
違和感を持たれるかもしれません。
賃上げ=物価上昇への対応
であれば、確かに一律、全員
ということになるかと思うのですが、
10年後をにらんだ戦略として
賃上げを考えるのであれば
対象者について検証しておいて
いただきたいと思います。
それは単純に30代とか40代の
賃金カーブを上げるということ
ではなく、
職種や
等級制度があるならどの等級、
あるいは
役職や階層
という視点もあります。
いわゆる経営戦略上、重要な領域
は、どこなのか、ということです。
「賃上げ水準」については
来年、最低賃金が50円UPしても
大丈夫とおっしゃるかもしれませんが、
10年間継続して、となると
どうでしょうか。
水準とする比較対象は
最低賃金なのか
設定しているモデル賃金とするのか
採用競争力としての水準の維持なのか
それらによって、
今年の原資にプラス何%なのかが
決まってくるものと思います。
目標設定をしている会社であれば
人件費増を見込んだ業績の目標設定
が必要になります。
ここまで検証した後、
「基本給」を変更するのか
「手当」を付けるのか等
やり方を検討します。
賃金制度がすでにある会社は、
制度を見直すことにもなるかと
思います。
まずは、賃上げは「何のために」
を明らかにして、今から取り組んで
みてください。
お読みいただきありがとうございました。
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