評価制度の社員説明会で伝えること

第1027号

縁あって、評価制度の運用から支援に
入る会社から

「評価制度スタート時の社員説明会の
資料を見てください」

と依頼され、社員目線になって説明を
聞いていると、

なんだか新しい制度は大変そう、という
印象を持ちました。

新しい評価シートの評価項目は減った
ということなのですが、むしろ、やらなけ
ればならないことが増えたような印象です。

行動目標が多いことが要因だと気づき
ました。

その一方、なぜそれをするのか
” 何のために ”今回改訂するのか
という説明が見当たりませんでした。
———————————————————

見せていただいた説明会資料は
見栄え良く、わかりやすいもの
でした。

こういう制度に変わります。

会社の目標は今期〇〇億円です。

それを達成するためにも、
これからは、こういうことを
やって、理想の社員像を目指し
ましょう。という構成です。

わかりやすいがゆえに、
今度の制度は大変そうだ、という
印象がダイレクトに迫ってきます。

作り手は、こういうふうになりたい、
なってほしいという気持ちで
作っているので、

説明会資料でも、その想いの
ままに、やらなければならない
ことを列挙しています。

社員は、何をやるのかも
勿論、知りたいとは思いますが、
そこまで気持ちは追いついておらず

新しい制度に「変わる」という
ことにどうしても不安を感じる
ところにいます。

気持ちが定まっていないところに
やらなければならないことばかり
が書かれている、

という印象を持ってしまうと
不安や不満が膨らみます。

社員説明会の目的は、
変わることの、不安を少しでも
払しょくするというのが目的です。

社員からすれば、
どうして何のために変えるのか
今までと新しい制度では
どう違うのか、

どのように変わるのか

そのうえで、

何をやらなければならないのか
ということが知りたい

という順番です。

社外専門家が最初に
「何のために」作るのですか
「作ったらどうなるのですか」と
プロジェクトメンバーに聞くのと
同様に、

社員には目指す目標の先にある
目的(どうなっているかという状態)
を、丁寧に説明してほしいところ
です。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~
新しい人事評価制度を全社員に
満足してもらうことは難しい。
だからこそ
「何のために作るのか」を説明して
納得してもらうことが大切です。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~

正直なところ、
新しい制度を全社員に満足して
もらうことは不可能だと思います。

良い制度だということ
みんなにとって悪くなるような
ことはない、

ということを丁寧に伝えても、
誰にとっても、公平とはいきません。

不満がなくなることを目指すので
なく、

なぜ、今、この制度を作ったのか、

ということを伝えて、その考えに
共感、納得してもらうことで

不満は残ったとしても、納得は
得られる、というところを目指し
たいものです。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~
・To Do(やるべきこと、タスク)ばかり
では、言われたことだけやっている、
ということになってしまいます。
その先の「目的」であるTo Beを考える
癖づけを日頃からすることが大切です。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

社員説明会だけでなく、
少し視野を広げて考えてみると、

会社のめざす社員像として、
「自分で考えて行動する」を挙げています。

社員説明会の資料にもそう明記
されています。

会社の現状は

「ベテラン社員は、言われたことを
やるのが得意」
という表現をされていました。

それが強みでもあり、この会社の
弱み(成長するポイント)です。

今回、それまでの評価シートの
項目を、ずいぶん絞ったと言います。

ずいぶん細かく列挙していたのですが、
どれだけ増やしても、それで、
評価者エラーがなくなるものでは
ないから、ということでした。

評価項目が細かくなればなるほど、
それを出来ているかどうかの
「結果」ばかりに気を取られて
しまいます。

上司も、To Doばかりに気を取ら
れていると、ToBeを考えなくなって
しまいます。

そこで、評価項目を絞ったわけ
ですが、

社員説明会資料の構成は
残念ながら、やるべき行動目標の
列挙が目立っていました。

何のためにやるのか、
その行動をすることでどういう
状態になっているのか

いわゆる『ToBeとTo Doはセット』
です。

(会社の目標〇〇億円というものも、
社員がどういう状態かとイメージでき
るのであればToBeです)。

ToBeがわかっているから、言われた
こと以外にも、応用して動けるように
なるというものです。

ただ、頭ではわかっていても、なかなか
思考が変わるわけではないので、

意識して ” To DoとTo Be ”
別の表現で言えば、
” 目的と目標 ”

常に意識して、伝えることで、
社員がみな、考えられるように
なることが大切です。

お読みいただきありがとうございました。
————————————————–
『人事評価制度の作り方』セミナー
オンライン(zoom)開催
日程:2024年10月25日(金)
時間:14:00~16:30

あなたの会社の評価制度が運用できるヒントが
あります。

詳細と申込はこちらから

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■

このブログは、メルマガでも平日2回
お届けしています。
ご希望の方は、 下記フォームよりご登録ください。

メルマガ申し込み
 

関連記事

コメントは利用できません。