フィードバックはギャップを明らかにするためのもの

第1015号

フィードバックは
ただ事実を伝えること、です。

これがなかなか難しいです。

事実を伝えているつもりでいても、
そこに評価が加わってしまうと
それはフィードバックとは言えません。

どうしても
正しいか、正しくないかという
思考が働いて、

評価を伝えないまでも、
「注意したほうがよい」と判断
したことの事実を多く伝えたり
しがちです。

どう考えるか、気づくかは本人に
任せるしかありません。

フィードバックで明らかに
したいことは「ギャップ」
であり、その程度(差)です。
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ギャップをお互いに確認する
ことは、組織の問題を解決
するうえでも大切なことです。

たとえば、評価制度では
評価点数について自己採点と
上司採点の間にギャップが生まれ
やすいものです。

こればかりは、どんなに制度を
完璧に作ったとしても、人が
運用する以上は、思考の違いは
なくなりません。

このギャップを確認し、あるいは
解消するためには

「どうしてそう思うのか」を
共有し合うスタート時点や
期中面談は重要です。

ギャップを解消しないまま「最終
評価結果」を伝える面談まで持ち
越してしまうと、

制度に対する不満や不信が募るだけ
です。

思考が違うゆえのギャップを
いかに確認しながら、見直し、
小さくしていくのかは、

期中面談の目的のひとつである
ことは間違いありません。

では、コミュニケーションの
不足がギャップを大きくして
いくのだから、

面談の頻度を上げれば
解消される。という方向に
寄りすぎると

肝心のギャップが何なのか
ぼやけたままになりそうです。

そもそも、評価制度を運用する
スタート時に、

期末の時点で、どうなりたいかの、
明確な目標設定が必要です。

現状と目指す目標があるから
その間にギャップが生まれます。

ギャップの大きさに意識の違いが
あるなら、

あらためて目標設定を共有し合う
必要があります。

ところで、

見落としがちなのが、現状
把握です。

出来ていないところには
無意識に目が向き、

目指すところは意識して
目を向けるようにした結果

今の現在地がどこにあるのか
現状把握がおろそかになりがち
です。

目標と現状の両方を明確にした
うえで、どうやってギャップを
縮めていくかの行動計画を
本人にたててもらいます。

この行動計画がたてられていない
と、上司は部下をサポートできません。

結局、上司は指示を出し続ける
ことになってしまいます。

部下を成果に導くには
上司はアドバイスでも指示でも
なく事実を伝えることが第一
です。

何ができていないとか
これがまずいとかいうことでもなく、

単純に、現在地と目標地点の間
にある距離を感じてもらうこと
です。

ギャップを明らかにして
本人に認識してもらうために

現状把握と目標設定の共有化
が重要です。

認識する距離の感じ方は人それぞれ
です。

難しいと感じるのか
埋められそうと感じるのか

受け止め方はどうあれ、
自ら、行動につなげてもらう
ために

ギャップの伝え方は
ただ、伝えること、しかありません。

そこに上司が、何か加えられるとすれば、
ポジティブアプローチです。

受け手がどう考えるかということを、
しっかり考えながら、

どうすれば、肯定的にとってもらう
ことができるか。

こんなことを頭におきながら、
否定も肯定もしないで、伝える
ということだと思います。

自分一人では見えないギャップに
気づいてもらうために

相手を信じて、伝え続けることが
大切です。

お読みいただきありがとうございました。
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