社員が定着している会社には『目標』がある

第1007号

上司が変わったら、新入社員が2名
辞めてしまいました。

「部下が辞めないような上司に育成
する方法はありますか」というご質問
をいただきました。

なんだか新しい上司が悪いような
言い方に聞こえます。

100歩譲って、新しい上司が今一つ
だとしても、

上司の育成の前にやることが
あります。

まずは組織力の強化です。
——————————————

上司によって育て方が変わって
しまうというのは避けたいもの
です。

だから上司を育成しなければ、
ということは最もですが、

効果が高いぶん、人材力の強化
には少し時間がかかります。

そんなときは、まずは組織力の
強化から始めてみることが
よいと思います。

組織の問題は究極

”人材力と組織力と関係力”
集約されている、と考えています。

この3つの力を、私たちコミュニティ
では『SSR理論』と呼んでいます。

人材力(S):人の強みや弱み、価値観に関すること

組織力(S):組織の構造や運営に関すること
      ビジョン、目的、目標、ルールなどの仕組み

関係力(R):人間関係やコミュニケーションに関すること

この3つがループし続けることで
成果が生まれます。

この会社の場合、
「聞いてくれば答えるよ」という
環境ではあるのですが、それは
言い換えると

上司の背中を見なさい、という
のと同じです。

背中は、(目と違って)口ほどに
ものを言ってはくれません。

組織の問題は究極、
人材力と組織力と関係力だと
申し上げましたが、それぞれが
単独で成立しているのでなく、
つながっています。

組織の問題がひとつではない、
と言われる所以です。

だとすると、着眼点は
上司の知識や技術不足をなんとか
しよう、

コミュニケーションが悪いから
面談を増やそう、

ではなくて、

関係力のひとつ手前の「組織力」
で問題は起こっている、と考えて
みることです。

つまり、コミュニケーションを
とらないことには理由(原因)が
ある、と考えます。

今起こっていることを繰り返さ
ないためには、原因を取り除く
必要があります。

そして、その原因が「組織力」
のひとつである「目標」が明確
でない、ということだと思って
います。

コミュニケーションをよくする
目的は、この目標を明確に
してそれを管理するため、と
いうように
”手段として”考えます。

大企業のように
業務がシステム化しているが
ゆえに、コミュニケーション
自体を目的として面談する、
というのは、中小企業には
なじみません。

中小企業はコミュニケーション
そのもの自体は良いことが多い
からです。

だからこそ、社長は昨日まで
楽しそうに話していた社員が
辞めると言ってくることに
ショックを受けてしまいます。

・ちょっと行動に問題があるので声をかける
・最近様子がおかしいので、話を聴く
・仕事の悩みにアドバイスする

コミュニケーションにはこんな
感じでもよいのですが、

こればかりでは、
一時的には思いとどまっても
根本的には離職を止めること
にはつながりません。

そもそも、中小企業の忙しい
上司が時間を割いて部下面談
するのは、部下を成長させる
ためです。

目標を明確にするのは、成長
して、成果を出すためです。

部下は自分が成長していると
感じられる会社を退職しよう
という気持ちには、なかなか
考えないものです。

現状困っていることが面談で
やり方に気づいたり、解消
できれば

その面談は部下にとって
意味があり、上司との信頼
関係が生まれる場となり得
ます。

面談の効果は、行うから、
ではなく

自分が成長するために
目標達成する支援を上司
がしてくれる場だから生ま
れるものです。

組織の関係性がよくなくて
社員が辞めていくと感じる
なら、まずは、目標を明確に
したうえで、コミュニケーション
の場を設定することだと思います。

お読みいただきありがとうございました。

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