評価制度の精度を上げる

第1001号

昨年から始まったコンビ結成16年
以上を対象とした漫才の賞レース
番組「THE SECOND」の第2代の
勝者が土曜日決定しました。

この大会の特長は
出場者が、みな嬉しそうに
漫才しているところです。

1点- 面白くなかった

と審査員の観客がつけても
意に介さず(笑いにはします)。

少なくとも出場者、そして
芸人さんからはこの大会の
運営について、不満はでてき
ません。

そこには、世界観と信頼が
あるからだと思います。
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この大会は
審査員は一般の観客100人で、

3点 とても面白かった

2点 面白かった

1点 面白くなかった

と点数を付ける方式です。

絶対評価で、両方に3点を
つけても構いません。

それでも、後攻は圧倒的に強く
て、今年も、1組だけが先行で
勝利し、点数が拮抗した対戦も
1試合のみという結果でした。

ここに、絶対評価の難しさを
感じます。

でも、だからといって、大会ルール
や観客の採点に不公平や不満の
声は少なくとも出場者や芸人からは
聞こえてきません。


評価制度を導入している会社
では評価する側、される側から、
不満や批判を聞くことが多々
あります。

評価点数の納得性を上げる
ために評価決定会議を開いて
上司がつけた点数を他部署の
上司も一緒に会議で検討して
評価を決定していても、です。

精度をあげても、不平不満が
なくなることはありません。

「THE SECOND」のプロデューサー
は昨年、
セット、カメラワーク、ネタ時間6分
これらは、劇場感覚を意識した
結果だと言っていました。

会場を劇場に見立てて
世界観を打ち出しています。

その世界観とは、
劇場では、漫才の良し悪しは
観客の笑いです。

「笑い」の数、大きさがすべて
と言っても過言ではありません。

そんな舞台に毎日立ってきた
人たちが競う場を劇場に見立て
た時点で、

観客が採点した結果に
そもそも不満がでるものでは
ありません。

一般審査員の観客も同様に、
舞台に立つ芸人へのリスペクトが
あります。

この関係性は言い換えると
「信頼」だと思います。

私見ですが、だから
面白くなかった、が0点では
なくて1点というのも

私はおもしろくなかったけれど、
面白いと思う人がいても、それも
当然、

ということなんではないか、と
思わせてくれるくらいの芸人
ファーストがあふれていました。

ところで、精度をあげても
不平不満がなくならない評価
制度。

不平不満がちゃんと言葉として
会社に届いてくることは、悪い
ことばかりではありませんが

根底に社員の「不安」がある
なら、それはなんとかしなけ
ればならないことだと思い
ます。

不安は、評価制度の内容という
よりも、評価されること自体への
不安だと思います。

一言で言えば、「この人に評価
されるのか」という不安です。

といって、ほかの誰かだった
らよいのに、という意中の上司
がいるわけでもないのです。

それを払しょくするには
「THE SECOND」と同様に
「世界観」と「信頼」です。

部下にとって知りたいことを
知れたと思える有効な対話や
面談を行うことで、「信頼」
関係は生まれてきます。

評価制度の成否は、評価シート
づくりより、面談ではないかと思う
くらいです。

世界観は会社の「ビジョン」
置き替えます。

評価はビジョンを具体的に
したもののひとつです。


言っていること - ビジョン

やっていること - 評価 

という関係性です。

まず最初に会社のビジョンを
明確にし、共感できていれば
それを具体化したのが評価制度
ですから、受け入れられやすい
土壌ができていることになります。

評価制度の精度を上げるには、
少なくとも向き合うのは
評価制度という「仕組み」
の前に、人と向き合うこと
なんじゃないかと思います。

お読みいただきありがとうございました。
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