第999号
伝えないといけないと思うことを
そのまま言っては、伝わらないことが
あります。
伝えることと、
言いたいことをそのまま言う
ことは、違います。
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心理的安全性という言葉が
かなり広まって、
言いたいことを双方向に
言い合える職場は良い組織と
考えられています。
確かに、誰かが言いたいことを
我慢している、というのは
よくありません。
お互いの思考の違いを知って
いて、普段からそれを意識
できている、
いわゆるコミュニケーションが
良い職場は、言いたいことが
言えているかというと、
言わなくてもわかるだろうと
勝手に判断したり、
意見を呑み込むこともあります。
悪いようにはならないだろう、
という、仲間への信頼が根底に
あったりするので、
実はコミュニケーションが悪い
職場より、やっかいだったり
もします。
そもそも言いたいことを
”そのまま”言うことと、
伝えることは違います。
こういう場合に意識したいのは、
遠慮や配慮という名の感情を
乗り越えて、
組織が目指す目標から考えて
みて、それは
”言うべきことは言う”
という判断になるのかどうか
です。
いったん、間をとって判断する
ことで、
感情に引っ張られてそのまま
言葉にするのでなく、
伝えるための言葉選びをする
ことができます。
上司の方は、部下の言動を見て、
これは、今伝えておかないとい
けない、言わないとまずい等、
いわゆる部下のために良かれと
思って、と、感じたときほど、
まずは、ちょっと、間を取る(一呼吸)
ことが大切です。
上司が良かれと思うように、
部下の行動も良かれと思って
やっている、ということを理解
したうえで、
たとえば、
それではまずいと上司が思う
やり方を部下がやっているの
であれば、
「そのやり方ではまずい、変えたほうがよい」
というような、
「あなたは、」という主語で始まる
『YOUメッセージ』ではなく、
「私はこうしたほうがよいと思う」
という「私」を主語にした
『Iメッセージ』で伝えることが
できればと思います。
あくまで”私の意見、考え”
として伝えることで、相手に
選択の余地を与えることになると、
相手に聴く姿勢を持ってもら
えます。
最初は頭の中で伝え方の変換
作業が大変かもしれませんが
でも、そうやって伝えようと
している上司の変化を、
部下は見ていてわかるもので
自分に伝わるように話して
くれている、と思える上司に
対しては、
部下も聴く姿勢で向かい合
ってくれようとします。
いわゆる信頼関係が生まれて
いきます。
部下の成長を管理する役割を
担う上司にとって、
伝えることは、外せないスキル
です。
それを身に付けていくことで
部下の成長だけでなく、
上司もホントの意味で、
“上司になる”のだと思います。
お読みいただきありがとうございました。
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