“みんなで”アイデア出し合っていますか

第976号

会社の数字って、ご存じですか?

会議に集まった管理職の皆さんに
こう尋ねると、

営業は売上の数字
人事は人件費の数字
経理は銀行借り入れの数字
総務はコスト削減の数字

これらについては確かに把握されて
います。

では、賃金原資、どう決めましょう
と尋ねると、

人事の方以外は、

「ちょっと専門外なので」
という答えが返ってきます。

それでは、会社の数字は
自分事にはなりません。

お金のブロックパズルを使って
説明すると、

「あぁそういうことですね」
と、すぐに理解されます。

結局、知らないだけなんだと
思います。

会社のお金の流れと賃金が
どうつながっているのか、
イメージできるようにならないと、

売上目標の達成も賃上げ率3%も
達成できないと思います。
—————————————————-

会社のお金の流れは、
営業や人事、経理や総務など
各部署が部分的に把握している
数字を持ち寄って使えば、だい
たいつかめるものだと思います。

お金の流れがわかれば、
賃金原資を増やすには
どうすればよいのか、が
わかってきます。

自分の部署のことだけ
考えている間は

どうしても『部分最適』
なってしまい、

「専門外なので」と言って
シャッターを下ろしてしまう
ことになります。

少なくとも管理職の皆さんには、
会社全体を見渡して

『全体最適』で、考えるように
なっていただきたいと思って
います。

決算書が読めなくても大丈夫
なので、

お金の「入りと出」のつながりを
“知っている”レベルまでには
なりたいものです。

そもそも、社員の方が全体最適
で考えられないのは、

お金の全体構造を、会社が
教えてこなかったからだと
思います。

中小企業の経営者の中には
数字で目標を語ることを避け
る方もおられます。

数字で嫌な思いをされた方も
おられるかもしれません。

勿論、数字がすべてではない
ですが

知らなければ、
売上や粗利の目標は達成できる
ものではないです。

どうやって来期の
売上や粗利を増やそうかと
話しあっても

それぞれが自部署起点で
意見を出しあっているうちは
”木を見て森を見ず”に
なりがちです。

誰が、何をするか、
という役割分担の話に
してしまうのでなく、

“みんなで”どうすればいい?

という考え方を持つことが、
前提だと思います。

賃金を上げるためには
賃金原資を増やす必要が
あります。

たとえば、3%の賃上げは

25万円の給与なら7,500円
30万円の給与なら9,000円
40万円の給与なら12,000円
会社全体の平均月収を25万

とすれば、

20人の会社なら、
25万×3%×20人×=15万円/月のアップ

年間では180万円になります。

ここに社会保険料の会社負担
約1.16を加算すると

208.8万円の人件費増とみること
ができます。

これを実現するためには

たとえば、

成果目標達成のための
行動目標として、

いかに新規客数を増やすか 
という『攻め』の部分と

いかに固定費を最小化するか
という『守り』の

両方に同時に取り組むことです。

各部署が
売上も人件費も借り入れもコストも
把握して、全社目標を設定できれば、

・価値を見える化して客単価をアップする
・変動費を見直して粗利をアップする
・人件費は維持してそれ以外の固定費の削減目標をたてる
・DX化を取り入れて、労働時間を短縮する

上記のようなアイデアを出し合った
うえで、

各部署で、より具体的な行動レベル
まで落とし込み

全社あげて(みんなで)、
同時並行的に複数の策で
取り組めば

人件費をアップさせながら
利益もアップさせることが
可能になり

賃上げ率3%が現実的になります。

何か手段を講じなければならない
とき

どうしても、1点突破を目指して
しまいますが、

それが慣れたやり方だとしても、
目標の負荷も大きく長続きしません。

同時並行・全体最適型で取り組めば、
1つ1つの負荷が低く
トータルとしての成果は大きい
ものになります。

何より、皆にとって売上、粗利を
増やして目標達成することが自分事
となります。

それぞれが役割で分断されるので
なく

会社の数字を共通言語として
みんなで成功体験を積み上げて
いきたいものです。

お読みいただき、ありがとうございました。

※お金のブロックパズルは西順一郎氏の
STRAC表をベースに
和仁達也さんが考案したものです。
新刊「コンサルタントの父が大学生の娘に教えるシンプルな会計」
https://www.amazon.co.jp/dp/4761277017

お読みいただきありがとうございました。
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