第970号
社長との定例ミーティングの
終了後に
「今、組織を変えたいと思って
1on1面談を行っているのですが
離職者が減らないので、管理職
研修でもやって、1on1との相乗
効果が出ればと思うのですが、
どう思いますか?」
というお話がありました。
どうやら先行して行っている
1on1の効果が今一つという
印象を持っておられるようです。
その時は、あまり時間がなかったので、
「管理職研修で何か組織を変えたい、
というのであれば、それは難しい
ですよ」
とだけ、お伝えしました。
———————————————————
SNSを見ていると、研修講師の方が
アンケートで過去一番の受講者
満足度でした。とか、
人事からの感謝と感動の言葉を
いただきました。
というような投稿を見ることが
あります。
研修の目的は「教育」です。
受講者に良質な情報を提供します。
それは、知識だけでなく、体験を
提供したりしています。
ですから、その内容がすばらしければ
こういうお声をいただけます。
では、研修の成功をもって
組織が変わるのか、
と言われれば、
それは、研修のそもそもの目的
ではないので、難しい
と言わざるを得ません。
組織が変わるためには
「人が変わる」ことが必須
です。
人が変わるとは、これまでも
何度かお話している
ホメオスタシスの壁
「知っている」
↓
「やってみる」
↓
「わかる」
↓
「できる」
↓
「している」
人が変わっていくための過程を
6段階で表現したものです。
1日や2日間研修では、
どうしても設計上、
「知っている」ところまでに
なります。
もちろん、
何年も継続して研修を行ったり
階層別に関わっていくと、
3年とか5年とか
時間はかかりますが、
成果を出すことも可能です。
最近では「研修」という名称
であっても、
年間を通じて、毎月関わったり
することで、
「できる」
「している」という
実践するところまで導いて、
しっかり成果を出している
講師の方もおられます。
それは実質、研修ではなくて
コンサルティングの領域です。
まず、何を目的とするのか。
それについて、会社が、
どこまで達成できていれば
よいと思っているのか(目標)
ここが明確になっていて
社内で企画するなら
社長と人事が共有できて
いることがまず最初です。
成果を出したい(=何かができるようになったり、
行動や意識が変わること等)
そう考えるのであれば、
冒頭の社長の会社が選択
するのは、
管理職研修ではない、
ということになります。
1on1面談で効果がでていない=離職者が減らない
ということであるなら、
やり方を見直してみる
ことを考えてみたり
そもそも
離職者を減らす目的の
選択肢として
1on1の前に
やることがあるのではないのか
探ってみることも必要です。
例えば、会社の目標や個人の
目標は明確になっているか、
などです。
そのうえで、変わるための
手段として、別途必要かどうか、
考えることになると思います。
企画力や情報力のある人事
の方は
つい、現状把握もほどほどに
新しいことに取り組もうと
されますが、
失礼ながら、
手を変え、品を変えても
数打ちゃ当たる、という
わけにもいきません。
「管理職研修でもやって、、、」
というふわっとしたまま
スタートしては効果は
望めません。
もしも研修とコンサルティング
の違いがよくわからなくても、
求める目標や目的が明確に
なっていれば、
逆算で、やるべき手段(打ち手)を
きっと選ぶことができると思います。
お読みいただきありがとうございました。
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