第964号
「自分の部署だけでなく、もう少し
周りを見られるようになってくれると
いいんですが」
これは、次の経営幹部をどう育てるのか、
相談を受けたときの社長の言葉です。
自分の部署のことだけ考えている人は
どうしても「部分最適」になってしまい
ます。
会社全体を見渡して「全体最適」で
考えるようになるには、
他部署とのコミュニケーションをとる。
ということも大切ですが、
誰が、何をするか、という役割分担
の話になってしまうのではなくて、
まずは、会社の目的に叶うためには
(みんなで)どうすればいい?
という考え方を持つことが、前提
だと思います。
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周りの部署にも目を向けて
ほしいと思う経営者は、
最終的には、自走する組織に
なってほしいと思っている
ことが多いと思うのですが、
そのためには、責任の明確化
と役割分担を、言語化する
ことが必要です。
確かにそうなんですが、
役割分担をするときに
気をつけたいのが、
役割は誰が何をやるのかが
明確になればそれでいい、
というわけではありません。
自分の役割を全うするだけ
では、それが部署目標に
貢献したとは言い切れない
からです。
全体を視野に入れて、自分の
範囲の仕事をもう1歩踏み
込んで、
自分は、何ができるかを
意識することが大切です。
経営幹部であれば、
部署目標を全うするだけでは
会社目標に貢献したとは
言い切れません。
自分は何ができるかを
意識することも大切ですが、
どうなることが一番会社の目的
につながるのか、そう考える
視点が大切です。
そう考えられると、自部署だけで
出来ることから
会社全体でできることに視点を
広げることができます。
これが、全体最適の視点で考える
ということだと思います。
野球では、ボールが内野と外野の
間に「ポテン」と落ちることから
ポテンヒットと呼ばれるヒットが
あります。
これは、内野手と外野手の間で、
どちらがボールを捕るのか
事前に決めていても
想定外のところにボールが
ころがったり、
てっきり、それはあなたの
領域だと思っていたから
捕りにいかなかったという
勝手に線引きしてしまった
ゆえのエラーだったりします。
お互いが、そこは自分の
守備範囲ではない、
と判断している時点で
それは部分最適の考え方
です。
どんなに状況ごとにルールを
細かく決めたり、打ち合わせ
していても、
「こういうときはどちらが捕るん
ですか」
という思考のままでは、エラーは
いつ起きても不思議ではありません。
一般的に、外野フライの捕球は、
守備位置によって誰が捕るのか
優先するのは決めていますが、
明確な線引きはないようです。
その瞬間に「任せろ」という声がけを
したほうが捕球するまでは、
捕れそうだと思ったら全力疾走です。
言って見れば、誰が捕るかでなく
みんなで捕るという意識です。
これが、全体をみて判断する、
全体最適だと思います。
最初の、「自分の部署だけでなく、
もう少し周りを見られるよう
になってくれるといいんですが」
というのも、
その言葉通り、周りを見て、
お互いの仕事を理解して
自分の役割分担範囲に
線を引きなおすのでなく、
どうすれば会社全体が
よくなるだろう、
会社にとって利益になるだろう、
と考えて、そのためには
いつでも、線をまたいでいける
意識をもっていることです。
そのためには経営者が、
会社の利益は何か
目的は何かを、
まず示していなければ
経営幹部は、部分最適から
抜け出せません。
お読みいただきありがとうございました。
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