第963号
2024年もすでに1週間が経過しました。
先週は、箱根駅伝が行われていました。
優勝した青山学院大学は、3大駅伝の
出雲、全日本で駒沢の後塵を拝しましたが、
箱根に照準を会わせて優勝という会心の
結果を引き寄せました。
個人的には、青山学院大学と同様に、
出雲、全日本で結果を出せなかった
東洋大学が、3位と21秒差の総合
4位に入ったことが印象的でした。
10数年前の「その一秒を削り出せ」
という東洋大学のスローガンを思い出し
たからです。
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東洋大学は、新・山の神と呼ばれた
柏原選手を擁して、2009年、2010年と
総合優勝して、2011年、絶対的エース
の柏原選手を5区に配して3連覇に臨み
ましたが、総合優勝は叶いませんでした。
優勝した早稲田大学と2位の東洋大学の
タイム差は21秒。
箱根駅伝は10人でタスキをつなぐので、
1人あたりのタイム差は2秒程度。
距離にして、わずか100メートル程度
及ばなかったことになります。
そこから生まれたのが
「その1秒を削り出せ」
2秒を埋めるには、今まで通りの
やり方をそのままやっていても
通用しない、
という酒井監督の考えによるものです。
ひとりひとりが練習の段階から
1秒を大切にする。
それは、どう行動することなのか?
それぞれが、チームのために動くことを心がける。
選手だけでなく、マネージャーも
含めた部員全員が取り組んで、
2012年、圧倒的な強さで、勝ち切りました。
その1秒を削り出せとは、自分の
ためだけではなく、タスキをつなぐ
チームメイトのために、
1秒を削り出せ、です。
駅伝は絶対的エースがいても、
それだけでは勝てません。
確実に区間ごとにタイムを稼ぐ
ことが大事です。
個人が成長しながら、
総合力(チーム力)を高めること。
駅伝も、ビジネスの組織づくりと
同じです。
組織として絶対の形を作ったチームも、
2023年の箱根には、シード権落ちの
危機感を持って臨んでいました。
監督は今の状況を、
色々と変えて行かなければならない
という表現をしています。
2012年に完成形を見たチームも
人が入れ替わり、コロナ禍を経て
学生の思考も変わってきたなかで、
これまでのやり方を、一から変え
なければならない状況にあるという
ことです。
チームづくりに完成はない、
ということなんだと思います。
変わりながら、駅伝で勝ことも
目指すためにまず取り組んだことは
個のスキルアップよりも
監督、コーチと選手の距離を
縮めるための話し合いの場を
持つことを選択しました。
そして、現在地の確認と
危機感の共有。
そこから、
勝つために足りないものを
埋めるために、
調整のための練習から
勝つことをより意識した
実践的な練習に取り組み
ました。
大会前の記録会で結果を
出すことで練習への信頼を
高める、即ち自分の練習に
自信を持つ、という
成功体験を積み重ねて
いきました。
練習で結果を出すことは
練習メニューを作成してくれた
監督への信頼を高めることにも
なります。
信頼は、距離が縮まって
いなければ生まれません。
勝つということが、現実にイメージ
できて、機が熟したところで、
箱根の1か月前に、監督から
「何位を目指すんだ」と問われて、
選手から出てきた目標設定が
「総合3位」
目前の目標を設定できたことで
チームがひとつにまとまりました。
できるイメージがなければ、
目標は達成できません。
その第一歩が、まず
話し合いの場をもったところ
から始まりました。
駅伝のチームづくりも、
組織づくりも、原理原則は
同じです。
その通りにやるから機能します。
それを端的に言えば
人材力×組織力×関係力
これらをどの順番で、
どう組み合わせていくかどうか、
です。
東洋大学は、まず最初に
話し合える場づくりをして
関係力を下支えとして、
練習メニューの見直し等
仕組みに手を入れて
目標を掲げました。
結果、駅伝を戦える
戦力(人材力)が整い
1月2日に間に合いました。
結果は3位に21秒及ばず4位。
この21秒を、来年どんなやり方
で縮めてきて、
選手はどんな目標設定で臨むのか、
楽しみです。
お読みいただきありがとうございました。
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