第953号
「うちは1on1面談やってますよ」という会社が
周りでも増えてきました。
忙しいから面談なんて、という感じの
会社や
コロナ禍で面談を止めてしまった会社も
あるなかで、
面談を続けていることはすばらしいと
思っています。
でも、せっかくやるなら効果を
出していただきたいです。
そうしないと、形骸化してしまいます。
1on1面談、どの程度の頻度で
やっているでしょうか。
評価を伝えるときの面談を
1on1でやっているということでしら、
残念ですが、それでは評価面談を
1on1面談と言い換えているに過ぎません。
まず押さえておきたいのは、
1on1面談と評価面談は別ものです。
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評価面談はあくまで評価を伝える
ことが目的です。
1on1面談は、評価が上がるように
するためのものです。
そして、目標管理制度を導入している
会社であれば、すなわち、目標を達成
することが目的です。
最終的には、会社として目標達成が
できたら、評価も高くなるという
関係性です。
評価が上がるように一人ひとりの目標を達成し、
部門の目標を達成することを目指すものだと
思っています。
なかなか中小企業で、この評価期間中の
部下面談(ここでは1on1面談と総称)が
定着しないのはなぜかと考えてみると
評価制度の作成項目のなかに
部下面談のやり方をお教えしたり
スケジュール化することに
外部専門家の方が踏み込んで時間を割いて
お伝えしているというのを、あまり
見聞きません。
私自身も、制度設計時は、口頭で
伝えるのみです。
少なくともロープレはオプション
扱いです。
多くの経営者も外部専門家も、私も、
成果を出すには面談が必要だと
わかっているのに、なぜ、制度設計に
組み込んでいないかというと、
「面談しなくても普段からコミュニ
ケーションは取っている」
「業務の時間を割いてまで面談する
意味があるのかわからない」
という長年にわたる経営陣からの
抵抗が、
今の一般的な作成支援範囲に落ち着いた、
少なくとも要因のひとつだと思っています。
そこで考えた末に、面談=評価面談と
1本化して、
評価面談のなかに、社員の成長や
目標設定まで、全部詰め込むことが
多くなってしまいました。
詰め込むと良いことはありません。
評価決定会議が形骸化するというのも
聞きますが、同様に、1on1面談も、
”やっている”ということ自体を目的に
してしまっています。
評価面談は、年に2回の評価であれば
面談も2回です。
評価を伝えるなかに、1on1面談を
プラスしても、それで成長させる
ことは正直できません。
評価を上げるために面談するという
目的に照らせば、
評価結果を伝える場で一緒に
面談やっていては遅い、という
ことがわかります。
もちろん、評価面談と1on1面談を
分けてやっている上司の方も
おられますが、
実際には、会社の仕組みでなく、
上司の裁量に任されて
面談する上司、
しない上司にわかれてしまっている、
という現状が多いようです。
評価制度を作って、
社員が成長したり
目標達成することが
作る目的であれば、
それを達成するには、
「面談」を外せません。
面談の大切さはわかっているけれど
「やるのって大変でしょ」というのが
本音かもしれませんが、
確かに最初は慣れるまで時間が
かかる印象はありますが、
それでも、会社として
まずは最初に”やる”と決めることです。
最低でも月1回面談する、と
より具体的に決めると、
スタートしやすいです。
面談の効果を最大にするためには、
スキルが必要です。
人事制度設計時に
評価(成長)基準を明確にして、
会社の業績目標とつながった
個別の目標設定を作れているなら
これらが抜け漏れなく忠実に出来て
いるなら、
あとは、学びながら1on1面談を
実践するのみです。
繰り返しやることは、
・傾聴
・承認
・GROWモデルの基本
・ロープレ
GROWモデルのGROWとは英語の
育てるという意味です。
以下の構成で質問します。
ステップ1:現状の把握-明確にするために状況を詳しく聞き取る
ステップ2:目標を明確化する 望ましい状態
ステップ3:現状と目標の間のギャップを明確にする
ステップ4:選択肢の模索 アイデアの発見
ステップ5:行動の決定(例 明日から何をするか)
経営者や経営幹部向けのコーチでもある
チームビルディングの師の石見さんは
1on1はGROWモデルが扱えるように
なることです。と言います。
1on1の目的は、
ステップ1~5を通じて
自分で気づいてもらって
成長してもらうことですが
その先に見えるゴールイメージは、
どんなときでも、どんな立場でも
いつでもどこでも成長できる思考を
身に付けてもらうようになっている
ことだと、私は思います。
そのためには、少なくとも月1回、
習慣まで落とし込めるように
なることが大切です。
そうすれば、自走する組織に
1歩近づくことにもなります。
最近は、外部専門家の方の
評価制度の作成を見ても、
ビジョンや面談を重要視され
作成段階から項目に組み込んで
おられる方が増えたようです。
経営のなかで、評価制度が
求められる役割が、変わって
きたんだと思います。
自社の評価制度が上手くいっていないと
感じたら、形骸化を防ぐためにも
評価項目の見直しだけでなく
面談の見直しもやってみていただきたい
と思います。
お読みいただきありがとうございました。
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