コミュニケーションと生産性向上

第949号

関西シリーズとも言われていた
プロ野球で38年ぶりに日本一に
なった阪神タイガース。

どちらも関西とはいえ、ファン気質は
違います。

球場では、阪神ファンはユニフォーム姿で
すれ違えば、知らない人同士でも即座に
ハイタッチ。

でもオリックスファンはハイタッチ
するのに微妙な間が空く、という
(記者の主観ではありますが)記事が
ありました。

確かに、居酒屋でも、商店街でも
虎ファン同士とわかると
すぐに旧知の間柄のような親密さは
目撃したことがあります。

でも、オリックスはイチロー時代に
ファンになったり、西本監督時代の
近鉄ファンだったり(阪急が近鉄を吸収合併)。

そもそも阪急と近鉄では電車の色も
違えば、球団のカラーも違います。
価値観も違って当たり前。

ハイタッチするのに微妙な間が空く、
というのも頷けます。

コミュニケーションとして考えれば
即座にハイタッチが理想のような
気もしますが、

”人と人は違うことを認めたその先に、
わかり合うためのコミュニケーションが
ある”

そう考えると、オリックスファンの
ハイタッチは深いなぁと思って
しまいます。

何が深いのかと言えば、
若干こじつけかもしれません。。。

人と人が、その違いを超えて
わかり合うためにコミュニケーションする、
そう考えているのですが、

『分かり合うための言語コミュニケーション』
という5年前に書かれた文化庁の報告書にも、

互いの異なりをふまえて歩み寄る、
と、出てくることからも、

これからの時代の
コミュニケーションを考えるときの
有力な意見だと思っています。

私はこれを最近診断する機会が
増えている『効き脳』で説明
しています。

人の脳は、大きく分けて、
左右で2つ、内側と外側で2つ、
計4つに分けることができます。

それぞれの機能を分けると

A:論理的、理性的=理論派
B:堅実的、計画的=実務家
C:感覚的、友好的=人情派
D:冒険的、想像的=アイデアマン

図で表したものがこちら

Aか?Bか?Cか?Dか?

人によって活用している
「場所」が違います。

場所が違う=思考が違う
というものです。

思考が違う者どうしの
コミュニケーションはどうかと
言うと

最もギャップが多いものと
少ないもので説明させていただくと

AとCあるいはBとDは
脳の対角線上に位置することから
最もコミュニケーションが難しい
とされています。

思考の違いを少し強調して言えば

数字や事実にのみ興味を示すAタイプ
仲間の繋がり、人を大事にするCタイプ

確かにコミュニケーションは
取りづらいです。

決めたことをルールに従って確実に
行っていくBタイプと

会うたびに言うことがコロコロ
変わっているとBから見ればそう映るDタイプ

BとDも相容れない関係性です。

ですが、お互いの違いを許容
し合えれば、強力な「補完関係」
なることができます。

どう許容し合うのかというと
目の前の行動や考え方は違っても
お互いの最終目的が同じであれば

そこに向かう道筋や手段、そして
途中にある目標は、必ずしも同じ
である必要はない、

と思えれば、ということです。

いかにゴールイメージ、
言い換えればビジョンを意識
し合えているかどうかが重要です。

一方、AとA、BとB、CとC、DとD
という『同一関係』は、
コミュニケーションの難易度は
低く、最も容易です。

初対面でも意気投合して居酒屋で
盛り上がることも不思議では
ありません。

ただ別の思考スタイルに切り替わ
らないため、視野は狭くなり、
盲目的な判断になりやすいものです。

ちなみに、私は大阪出身で、
1985年の阪神タイガースの日本一も
しっかり目に焼き付いています。
決して虎ファン批判ではありません(笑)

ビジネスでも、効率的に業務を
進めていくには、同一の思考を
集めてしまいがちですが、

勿論、それも間違いではありませんが、
いわゆる同一の思考を集めて
単に、居心地のよい環境を
作ることが、生産性の高い組織
とは限りません。

効率というのを、
・無駄を省く
・業務の標準化
と読み替えれば、

それは生産性の向上のひとつの
手段ですが、それだけでは限界が
あるというものです。

組織の生産性を最大限に発揮
するには、

より効果を発揮する個々の個性や
役割を最大限に発揮させることです。

そのために
”人との違いを生かしてチームをつくる”
という意識が大切です。

これはまさにチームビルディングの
考え方です。

このとき、お互いが、
相手の事を理解しよう、
相手の事をもう少し分かりたい、
相互理解を深めようとするときに

せっかくのお互いの気持ちが
ズレないためのビジョンの共有と
共感が前提になります。

人間関係が上手くいかないなぁと
思ったら、好き嫌いの感情論に
発展する前に、思い出して
いただければと思います。

お読みいただきありがとうございました。
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