第939号
2024年4月から建設業、トラック、バス
タクシードライバー、医師の時間外労働の
上限規制が適用されます。
今までは上限規制の適用除外だった
業種です。
これがいわゆる2024年問題と言われて
います。
厚生労働省が特設ページを作り、
動画を公開しているのですが
伝えたいことは
「変わらなきゃ」って
ことなんだと思います。
〇〇問題というくくりで言えば、
2024年問題だけが問題ではなく、
むしろ大きな影響があると思われれる
のが2030年問題。
2024年の時間外労働の上限規制が
働き方改革の一環であるように
2030年問題は少子高齢化による
労働力人口の減少対策で行われる
ものです。
ここ最近、そして来年以降も
発表される法改正や国の方針に
その都度反応するのでなく、
少し時間軸を伸ばして、
まずは、自社の人事戦略を
どうするか、という視点から、
考えることが大切だと思います。
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2024年問題は、確かに目前に対応を
迫られているのは上記の業種かも
しれませんが、
そもそもこの法改正は「働き方改革」
の一環です。
厚生労働省の動画より
https://hatarakikatasusume.mhlw.go.jp/
人手不足で、今回の対象業種ではない
私の関与先でも、残業が増えてきて
います。
「変わらなきゃ」は、他社の話とは
言い切れません。
以前からよく言われていたのが
少子高齢化が進み、2030年には
人口の1/3が65歳以上の高齢者
となって、労働力不足が深刻化
するというもの。
これが2030年問題と言われています。
少子化問題から見ても同様に、
反転できるかどうか、2030年が
ラストチャンスとも言われています。
そこにあらたに、8月末岸田首相が、
2030年代半ばまでに最低賃金1500円を
目指す、という発言をしました。
すでに決定しているのが、
2024年10月からは、
被保険者数が51人以上の企業で
週20時間以上働く短時間労働者が
社会保険の加入対象となります。
日本年金機構
https://www.nenkin.go.jp/oshirase/topics/2021/0219.html
そして、最近、短時間労働者が年収の壁を
意識せず働く環境づくりを支援する
「年収の壁・支援強化パッケージ」
が決定されました。
https://www.mhlw.go.jp/stf/taiou_001_00002.html
保険料負担による負担増を軽減
するために手当を支給したり等の
企業に対して、
1人当たり50万円を助成するという
ものですが
2年間という時限措置のため、
会社は、継続的に賃金が増える対策を
しなければ、賃金の高い企業に労働者が
転出してしまう恐れもあります。
何より、社会保険料の負担は
企業にとっても負担増となり、
これまでのようなパートの活用は
できないものとなります。
こうなると、
これまでDX化が進んでいないと
言われる中小企業も
人の代わりにDX化も導入して
進まざるを得なくなります。
こうした一筋縄ではいかない
状況を整理して、
かつ、仕組みに落とし込むのは
簡単ではありません。
短期的にみれば、どう考えても
人件費が増えることになると
思います。
会社の体力を始めとして、
年齢や雇用形態の分布状況に
よっても、それぞれ状況が違うので、
何をどういう順番でクリアして
いけばよいかは、他社事例を
そのまま導入することも難しい
ところです。
何から手をつければよいでしょう、
というご質問を受けることが
あるのですが、
いったん、俯瞰でとらえてみると、
法改正の目的は、
2024年問題であれば働き方改革
2030年問題であれば労働力の確保
です。
この話を自分事として対応を
考えるためには、
どういう会社を目指すのか、
ということを起点に考えなおし、
時間軸を可能な範囲で長く
とったうえで、
いつまでにどこまで
いつまでにここまで
という目標設定して
一つずつ、クリアしていくのが
最終的には近道だと考えています。
これからも法改正は
きっと頻繁にあります。
なんとか、これを
企業にとっての負担でなく、
組織の強化、変わるチャンスに
活かしていきたいものです。
どう捉えるかによって
打ち手は変わってきます。
幸い、まだ少し時間があります。
短期的視点で打てる手と
中長期的視点で打てる手を
分けて、考えてみることで、
きっと行動の1歩が踏み出せます。
私も、これからもご一緒に
悩み、考えていければと思います。
お読みいただきありがとうございました。
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